メタサーフェイスについて解説しました。
メタマテリアルという自然界では通常起こらない現象を引き起こす材料があります。
それであれば、そもそも表面構造をメタマテリアル化してしまえば、同様の効果が期待できるのではないか?として注目されるようになったものがメタサーフェイス技術です。
そのー例として「負の屈折率」があります。
【書き起こし】【メタサーフェス】光をあり得ない方向に曲げる技術について(字幕あり)
(00:02) 皆さんこんにちは極微の視野です いつもご視聴ありがとうございます 今回のテーマはメタサーフェスをテーマにして お話ししてみたいと思います 動画の構成はこちらになっています 入射光をあり得ない方向に屈折 メタサーフェス光学素子に感じた可能性 メタサーフェスとは? 光の屈折 機械の目光 センサーメタサーフェスの実用化 こういった内容のお話になってます よろしくお願いします 入射光をあり得ない方向に屈折 メタサーフェス光学素子に感じた可能性 ということで日経クロステックの記事からです 話題をちょっと深掘りしたいと思います 映画ハリーポッターに登場する透明マントを実現できる 取材中にそんな話題が上がり今更ながら メタサーフェイスという次世代技術の 可能性を思い知った この技術は光学機器でも ゲームチェンジャーになるかもしれないと いう話からですね入っています
(01:10) ということでですねメタサーフェス 透明マントではまだ実現できてないと思うんですけれども とある分野では すでにです実用化されていますという ことで今回ですねメタサーフェスを テーマにお話ししてみたいと思います 以前私の過去動画の中で メタマテリアルというものについて ご紹介しました メタマテリアルっていうのは 広い意味では自然界の物質にはない 振る舞いを起こす材料のことを言います メタっていうのは 超越というものですとかあと 高次のとか意味を持ちますので 自然界を超越した材料ということになります その代表例と一つとして、光や電磁波の 波長などよりも小さくて細かなナノ構造体 メタマテリアル構造体が 引き起こす材料というのが近年注目されています メタマテリアルが立体的なナノ構造体を持つのに対して
(02:21) メタサーフェスというのは 二次元的なですね ナノ構造体を持つ表面体を言います Surfaceっていうのは表面のことを 意味しますので 自然界にはない表面構造そのものと解釈できますで その例としましては負の屈折率っていうのがありまして メタサーフェスに入り込んだ 音や電波・光などを通常では あり得ない方向に曲げるというものです こちらの図は光や電磁波のイメージ図なんですけれども 物理の世界では光や電磁波っていうのは 電気と磁気のエネルギーの波という風に解釈されてます 光の波動性と言ったりもされるんですけれど 波の性質や原理成り立つんですね 光の性質には反射、干渉、回折、そして屈折がありまして 光にもですね同様の性質を持ちます 今回のテーマでもありますが
(03:33) メタサーフェスの負の屈折は 自然界においては大きな 影響を与えないとされて考えられてきた 光の磁場に影響を与えることで 通常ではありえない方向に曲げて 屈折されるって事が近年解明されました 屈折っていうのは一言で言うと界面において 波が進行を変えることを言います 波を伝えるものを媒質というんですけれども 音であれば空気 津波であれば水、地震であれば地面のことですね 光の媒質っていうのは 空間そのもののことを言うんですけど 透明な物質であれば光は 透過することができます 波は媒質が異なるものを通るときに 波の周波数が変わらずに 進む速度が変わるために進行方向が変わります
(04:38) 代表的なのがですね光の屈折でして 図は光がガラスの中を通り抜けて 光線である光の進行方向を変えている様子です 例えば光がガラスに入射角を30°とすると 射出角は19°になって出ていきます 屈折する部分を拡大してみますと 光がですね斜めから入ると最初にガラスの界面に入る部分と 遅れてガラスの界面に到着する部分があります 波の周波数・振動数は 変わらないんですけれども (最初に到着する)ガラスの界面に入る光の速度は遅くなって 遅れてくる光の速さは早いままですので ここで光の速度差に部分的に差が出てくると その結果としてね光は折れ曲がっていくという現象です
(05:48) これに対して負の屈折というのは 光が入射した時にですね 光が手前に曲がるような光の流れです 図のような場合はですね入射角が30°の時 射出角がマイナス19°という負の値に なります このメタサーフェス上で ー19°に光が曲がって進むことが 自然界には起こらない超越したものとされてます 負の屈折状態になりますと点線を境にして入射光と同じ側 同じ側に光が進むため、光を閉じ込めたような 振る舞いをすることになります 今回、話題になっていますのは メタサーフェス技術っていうのが 光センサーの機械の目として活用されるということです スイスの半導体大手SPマイクロエレクトロニクスが
(06:58) 物体検知や対象物までの距離や方向を計測する タイムオブフライト TOF測距センサーにメタサーフェス光学素子に 採用したことを発表しましたということですね TOFっていうのはレーザー光を使った リモートセンシング技術でして リモートセンシングはものを触れずに調べる技術のことです 光センサーに限ったものではないんですけれども 望遠鏡、顕微鏡、カメラ、レーザーなんかは 光学機器と呼ばれるものでして レンズですとかミラーあとプリズムなど の光学素子ですね 光に関わる部品なんかを使って 光の性質を利用した部品によって構成されています こちらは光センサーの概略図になるんですけれども
(08:03) 電子回路につながった発光部から レーザー 光の光を放射して 検出物体によって反射する光を受光部で検出して 電子回路へ伝えて電気信号を得るというものです ここで光を放出したり、集めたりするのに重要なのがレンズですね レンズでして 検知対象への感度を高めるために使われています つまり精密に作られたこのレンズがなければ 電気信号としてうまく情報を拾えないということになります 特にですね光センサーやカメラは屈折を利用して 光を一箇所に集めたり分散させたりする光学素子がレンズです 光を集める集光レンズなど 光学機器のほとんどにレンズというのが使われているくらい
(09:10) 重要なものなんですけれども 凸レンズであれば中心付近に厚みが 必要になってよりコンパクトにした光学機器を作ることが 難しいというデメリットがありました ここでメタサーフェイスを応用することで1枚の薄いレンズ 薄型レンズのように使うことができるとして注目されています このメタサーフェイスを利用した1mm程度の 薄型レンズには均一の高さを持つ 光の波長以下のナノサイズの柱 私がちょっと調べた限りですと 500nm 以下 光の波長がだいたい500nm 以下になりますので そういった小さいものがたくさん並んでいると この構造体群が負の屈折を起こして 光をですね閉じ込めるんですね 閉じ込めておいて屈折を作り出すことで
(10:17) レンズと同じ効果を持つようになるというものです メタレンズっていうのはコンピューターや携帯電話ですね 携帯電話に使われているシリコンチップの微細なラインですとか形状のパターニングに広く 利用されてまして半導体ですね 半導体チップなんかを製造するようなフォトリソグラフィーで リソグラフィー技術で作製することができます 数百万個ものですね ナノスケール構造体からなるレンズを 露光装置でウエハ上に構造体のパターンを 刻んでいって大量にこれで生産製造することができます 現在ですね光学機器の中でも 薄薄さを売りにした 売りにしているスマートフォンのカメラが ありますがある程度これもですね限界に 近づいていて最新のスマートフォンでも カメラ部分が出してだいぶゴツく なってしまったっていうのもありますね それスマートフォンのカメラっていうのは
(11:26) 実は5枚以上のレンズ系から構成されているとされてます スマートフォンが薄くならないのは レンズとあと電池によるものであるとさえ 言われていますそのようなレンズがですね1枚のメタレンズで そんなレンズ系が1枚のメタレンズで置き換わると 超薄型になるのではとされています メタサーフェス技術っていうのは レンズの製作を行っている職人方からすると ちょっと危機感を覚える話かもしれないんですけれども フォトソグラフィーで作成されたレンズは品質差がなく 材料コストも下げられるという技術で注目されています ということでメタサーフェスと負の屈折について解説しました ここまでご視聴いただきどうもありがとうございました
動画を作成する際に下記のリンクを参考にしました。
・日経クロステック
入射光をあり得ない方向に屈折 次世代素子の可能性
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC086PJ0Y2A900C2000000/
・STマイクロがメタサーフェス光学素子を民生品に初採用、測距センサーに実装
https://active.nikkeibp.co.jp/atcl/act/19/00008/062703841/
・メタレンズ
・EETimes
Metalenz, STMicroelectronics Develop Optical Metasurface Technology for Consumer Electronics
https://www.eetasia.com/metalenz-stmicroelectronics-develop-optical-metasurface-technology-for-consumer-electronics/
#メタマテリアル
#メタサーフェイス
#負の屈折率
0:00 動画の構成
0:35 入射光をあり得ない方向に屈折 メタサーフェス光学素子に感じた可能性
2:14 メタサーフェイスとは?
3:54 光の屈折
6:40 機械の目:光センサー
8:47 メタサーフェイスの実用化