FMEAが役に立たない5つの理由とは?品質管理の間違いシリーズ

 

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【書き起こし】

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(00:00) fmea が役に立たない5つの理由とは 高崎ものづくり技術研究所の浜田です ご視聴いただきありがとうございます 今回は品質管理の間違いシリーズ fmea が役に立たない5つの理由とはについて解説いたします 最初に fmea とは何かについて概要を説明致します fmea は製品の信頼性安全性対策が万全かどうかを評価する手段です fmea は信頼性設計の手法の一つで従来の不良率を低減させる取り組みとは異なり 市場に流出する恐れのある潜在リスクに設計時点で気づくことが重要となります また設計者個人の持っている知識や経験には限界があるため設計の漏れや欠落を防ぐ目的で fmea レビューを実施します fmea は製品やユニットの設計を行った際、基本となる設計に対しその変更点・新規点に着目します 例えば自動車部品の材質を変更した為、錆が出やすくなるという心配があるとします ではその錆は、その製品がどんな環境でどんな使用シーンの時、起きやすくその時 どのような影響が出るかを考えます 故障モード(錆)の発生は、その部品はいつか、もろくなって破損するだろう

(01:17) その時エンジンや車体にどのような悪影響を及ぼすだろうかと考えます。 サビがどのようなプロセスで発生しそれが、製品の故障に発展し事故につながる恐れが あるというように一連の流れの中で心配点を抽出する必要があるのです。 これには過去のデータの蓄積および、経験と知識が必要となり 有識者を交えたディスカッションが欠かせないのです。 しかし一般的な製品設計、工程設計ではこのような心配点の検討が行われず実際の ものづくりが終わった後 試作評価や評価試験で表面化した問題に対し、フィードバックを行っているだけであって 設計プロセスは従来のまま fmea は建前上実施しているに過ぎません。この方法は 後追いの、モグラたたき式の品質管理であり、試作や評価試験で表面化しない問題は市場に 流出し事故につながる例が少なくありません。 そこで品質管理の考え方を根本的に見直し 潜在リスク流出防止を主体とする、未然予防の設計プロセスへ転換しなければならないのです。 下の図は設計時点で新規店変更点の問題点を明らかにし fmea を実施して信頼性に漏れがないことを確認し 図面をフィックスさせる設計プロセスとしている例を示しています。

(02:33) 以上により fmea を導入しても役に立たない5つの理由を列挙します。 1.未然予防の品質管理の考え方へ転換できない組織、設計者ともに、後追いのモグラ たたき体質から設計時点で潜在するリスクを発見する 未然予防の品質管理へのパラダイム転換ができない 2.設計時点で潜在リスクの洗い出し手法が確立していない 市場のリスクを低減させるための、リスク抽出手法設計プロセスが確立されていない 3.市場における過去トラブルデータの蓄積が不十分 失敗データ、ナレッジデータの蓄積共用化メンテナンスの仕組み不十分。 4.部品製造メーカーの fmea 実施目的が明確化されていない。 部品製造メーカーはその部品の故障モードが最終製品に及ぼす影響、 リスクを理解していない。また情報が得られないため何の目的で fmea を実施 するのかが不明確となっている 5.リスク評価項目と評価基準不適切 影響度、発生頻度、検出度の評価項目と基準が十分検討されておらず不適切のため正しい リスク評価ができない。 今日のまとめです。設計者の古い考え方 組織の fmea に対する正しい考え方の欠如 もぐらたたき品質管理の考え方に沿った設計プロセスを変えない限り fmea 導入

(03:53) は失敗に終わるでしょう 正しいFMEAの考え方、進め方は下記の解説書を参照してください。 以上で解説を終わります。 ご静聴ありがとうございました

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