GR車専用工場「GRファクトリー」 工場見学

GRヤリスをはじめとするGR車専用のラインとして、2020年にトヨタ元町工場内に新設された「GR FACTORY(GRファクトリー)」。トヨタ流の大量生産とは真逆と言っていい多品種少量生産、しかもスーパースポーツカーのファクトリー並みの圧倒的な高精度を実現した、この専用工場があってこそGRヤリスの素晴らしい走りは実現可能でした。今回は昨夏、その「GRファクトリーを初めて訪問したときの模様をお送りします。これを見たらGRヤリス、欲しくなっちゃうこと請け合いです!

 

【書き起こし】GR車専用工場「GRファクトリー」初訪問レポート by 島下泰久

(00:11) GRヤリスをはじめとするGR車専用ラインとしてトヨタ元町工場に作られたGRファクトリー 2020年8月のGRヤリス ラインオフの際にその驚愕のラインをじっくり見てきたのでここで紹介したいと思います ここがボディ工場です 中に入っていきます セル方式いう工法です 治具が中に入っていきます。このジグとAGVですね 配置は人を1番、設備は2番ということになっています ヒトの作業のしやすさを1番に考えています。これは匠の人達ですね そしてその周りに設備が配置されています
(01:22) 生産量の変動にも 柔軟に対処しやすいということになっています スポット溶接で組んでいくのが基本のこのボディ構造です ここは100%自動化されています ここでは手打ちのスポット溶接工程が入っています 打点数は1台で3300もあるといいます そのうち250打点が手で行われています ロボットで打たせるのにも、姿勢は人間が教えるということです その人間が教えるのがいいのではなくて、人間が本来打つべき場所をちゃんと知らなくてはいけない
(02:38) ということで人を育成する意味もあるんでしょうね 手で気持ちを込めるという意味もあると そして溶接だけでは剛性が上げられないので 構造用接着剤も使っています 市販のヤリスと比べると11m多く接着剤を使っているということです これもシーラーをロボットじゃなくて人の手で塗っているということです ここがまさに手で接着剤を塗っている所ですね
(04:00) 差金を用いないで超音波測定で溶接の接着度合いを見るという工程もあります 打点あたり14秒かかっているのはこれは自動化したいということで試みている途中ということです この方式は生産台数の増減に柔軟に対応できる。そしてラインナップの追加についても 新しい車を導入するときにも計画から早いリードタイムで導入が可能になるという すごくフレキシブルなラインだということですね 接着ですねこれが
(05:34) 接着剤は冬と夏で粘性が変わったりするので非常に扱いにくい。なので人の手のほうが良いということが解っているそうです ロボットで画一的にやるのではなくて きちんと人が勘所でやるということ。まさに匠の技ということですね これが進めば自動化などを人が教え込むことができるというところで人づくりにも繋がるということですね 溶接工程です
(06:53) 沢山のガンを並べておくのではなくて、ヘッドを変えて行っていますね ここは1工程なんですね。これは品質の安定にも繋がっているのかなと ちなみにここでは300点近くの打点を売っているそうです それを1つの工程で打つということで高い品質が確保できる。つまり高い精度のボディが出来るという事ですね 続いてアンダーボディが入っていきます 今後車の数が増えてくると、ロボットの数というかヘッドの数もそれに応じて増えていくということですから この一つの工程の中でしっかりとこなすということがポイントのようです
(08:15) サイドパネルが着きましたね クルマになった瞬間みたいな感じですね。シャシーだけだったのが 1台のロボットで部品を保持して、もう一台のロボットで打点を打っていくという事ですね ここが本当にボディの精度を決める重要な工程だということです この土台がダメならダメというか、ここがしっかり決まれば出来るという事です 溶接の塑形をレーザーで計測できる装置がここに入っているということです
(09:32) よく見えませんが、溶接打点の精度を確認できるそうです 手作業と匠の技とハイテクを両立出来るのがこの工場。パイロット的な工場だという事ですね インライン計測器ボディのデータを完全に測定しようというものですね 要は足回りの取り付け部分などを全部測定していると このバラつきを組み立ての工程に送ってマッチングさせると アクスルセンターのズレをゼロにするように組む 各車体にちょっとずつある誤差に合わせて組む。それをデータでキッチリやるということですね
(10:59) まさにこれですね。これが計測ですね そしてここ曲がると これが最終の組み立てですね。ボディに関しては ドアなどを組み立てていって、建付け精度 そしてライトのところでボディの面の保証をすると すると塗装のラインに行くことになりますね ドアの取り付けや精度の保証は全部人の手で行われているわけですね 上からぶら下がってる搬送機などがないですね。部品を運ぶのはAGV 自動で走るロボットですね 壁が黒いですねそして床が白い。GRっぽいですが、そういう意味ではなくて
(12:12) 設備が見やすくなるというところだということです 床が白いのと明るさで作業者としても作業がしやすいと 人に対して優しい工場だということですね 扉が赤い。これはGRだからだそうです はい。手で運んでますねぇ 吊り下げじゃなくてこうやって運んでいることでフレキシブルにできるということですね オレンジは光の波長が長くて傷くが見やすいんだそうです ただしそれは日本人の目にはという話だそうです 塗装のところというのはクラウンやMIRAI、LCと同じ工程に入ると。この オレンジのところを越えていくと塗装ブースがある
(13:26) 塗装だけはGR専用ラインではなくて他のと同じ所を流れるそうです ちなみにここは元メッキ工場だったそうです 足回りの塗装などが行われていたところだということです こちらの工程、タクト間隔は9分だそうです ここは1日100台を作ると。 生産時間から逆算すると540秒で1台の車ができなければいけない 一つのタクトの中でいくつもの仕事を重ねる
(14:45) 工程で5,6個やらないとタクトタイムはこなせない それをやるためにはこのセル工程が有効だという事なんです ボディ工程は75名、50工程だそうです 50人が実作業に従事している。それが昼と夜に分かれているので 合計100名が居る。6時30分から15時までと、昼からという2つの班に別れているそうです 組み立て側は284名。ボディが130名 奥のシャッターから塗装が終わったボディが入ってきます ハンガーもコンベアもないことに気づきますでしょうか これですね。AGVですべてを運ぶ形になっています 量の変動に対するフレキシビリティが非常に高いと
(16:10) どんな車でもいろんな車種でも対応しやすいですね 組付け順序を走りにこだわった工程の再現ということで。こだわったと言うことが、組付け工程の目玉です 通常はオーバーハンガーは吊っていくんですが  変動への対応ということで今回はAGVを使っていく 2柱リフトですね。これが工場の中にあるというのは珍しいですね 本来はここにクルマが詰まっているということですが、今日はラインオフ式だったので無いんですが 堤や高岡は1分のラインなので 今回ここの工場は540秒で1タクトなので これがこの作業を完結することが出来る あとの工程に送ることが出来ると
(17:17) まずは、足回りを組み付ける前の所の 前処理の所だそうです ワイヤーハーネスや内装部品を組み付ける所ですね ドアレス工法も採用します。トヨタはこれ多いですよね ドアを外して組んでいって 最後にドアを組むと ここで完成させたドアが後の工程に運ばれて組み付けられる やはりドアはない方が室内の作業はやりやすいというのが ラインの奥の方に縦にラックが並んでいますね
(18:33) サプライヤーから来た部品が入っていると セットパーツSPゾーン。これが工程に届けられるということですね それぞれの組付け工程には1人1人ワゴン台車を使っています それぞれの工程に必要な形をしていると その人ごとに必要なものが入っているわけですね 540秒分の作業の部品が ひとつの台車に入っていると これがワゴンです パネルの組み付けですね このトリムラインが終わると足回りの取り付け工程に入っています そこがこの工場のチャレンジですね
(19:50) 1G締め付けですね。1Gの車両の重さを再現する締め付けの必要性がここから生まれてくると まず内装をここで組んでいるんですね ウィンドウガラスも手塗りで接着剤を塗って貼っていますね シートですね こういうものは本当に基本的な工場だったらこれ最後につけるものだと思うんですがこのクルマの場合はもう先に付けてしまうと そういうことで重量を合わせているわけですね そして次の工程で
(20:55) さっき外されて単独で取り外されたドアが組まれていると こうすることで車両としての重量が ほぼ完成車と同じ状態になるということで、この状態から足回りをつけていくということですね 組付けの順番が変わっているということです 順番を変えた組み付けした赤い車が持ち上がっていますね セルで組み付けをしています 精度高く組み上げられた車体がここに来ています 足を組んでますねぇ
(22:04) ラインオフした車でそのままサーキットを走れるというのが目標ですね 前後サスペンションメンバーですね バネ 全部測定しているんですね 測定したものとボディの測定したものの 両方のマッチングをコンピューターで測って マッチするパーツがそれぞれの車体に送られると。すごいですね どの車もアクスルセンターがイメージ通りになり、車高が左右ばらつきなくアライメントもしっかり出る ブレーキも左右差がない。そういう車が、つまり本当にラインから出てすぐサーキット全開で走れるようなクルマが出てくると。これはすごいですね GRヤリスのこの工場の一番の特徴ですね
(23:18) 白い車が帰ってきましたね AGVに載せられて帰ってきます いわゆるラインではないわけですね こんなことを 本当にスーパースポーツカーのメーカーでしかやっていないような工程ですよ これをリフトで持ち上げるとAGVが抜けます。そこにまずフロントリアのサスペンションアッシーを入れて 2柱リフトみたいな所にかけてアクスル関係が入っていく ここで寸法しながら組んでいくということですね その3工程分の仕事がここで1個で行われる
(24:35) フロントとリア、あとはエンジン周り 作業時間の短縮にもなりますし、精度の担保が出来ると この車のために集まっていたパーツが用意されて、ここから組み付けに入っていきます ちなみに人が多く見えるのは、来週からの二直化に備えてのもので、実際にはこの半分の人数でやっているということです この後に 組み付けられたものがタイヤがつけられて そのまま持ち上げるようです。その後にブレース類が締められて タイヤが接地した状態で1Gになるので そこで締めると
(25:50) 奥の白い車はフロントアクスルアッシーが組み付けられています 運ばれてきて、位置合わせして、治具で嵌められるという感じですね プロペラシャフトが嵌められてますね これですね 前後のプロペラシャフトがつながりました 何か良いものを見た感じがしますね インパクト(レンチ)で締めたあとに手でトルク管理してるんですね
(27:54) プロペラシャフトのあたりですね。前のクルマが下がったので見えてきましたけどリアのアクスルも組み付けしていますね 各人員がタブレットを持っていて終わった作業は全部完了と入れていくそうです 品質管理にもつながっているそうですね 車が下がってきましたね マリアージュ的な事が起きていますね
(29:27) 入ってきました ここはもう出口ですね この奥でガソリンを入れて車は出ていくということですね これは本当に世界のスーパースポーツカーメーカーがやってるような生産方式をこの台数規模でね まあ少なくとも年間2万5千というような台数規模でやるとは すばらしいです。ということで次は検査工程に行きます ガソリンを入れたあとに、液モノを入れて、ECUの書き込みを行う。最後に艤装の確認 これが検査工程ですね
(30:48) 回転するようになってますね 本来であればこの後から入ってきた、艤装のチェックを終えたクルマが 奥のアライメントチェックのところに行くんですが これ実はねハンドルを切るとブッシュにヒスを残しちゃうので アライメントをしっかりしたものを出すためにここでターンテーブルに載せて向きを変えるということです ここも5mの正位相と反位相の波状路 正位相と反位相を繰り返すことでヒスを取り除ける 90%取り除けるそうです こだわっているんですよ そして最後にアライメントそしてハブのセンターを出していると
(32:01) これできることでヒスが取れると アライメントは一回出してから二度図りをしていると 一回出しただけだとヒスが残るので 左ハンドル仕様ですね このあたりは光軸チェックなどですかね 最後にここで4輪の輪重とハブセンター、車高を測ると すべてマッチングを取って車は出ていくと いや、すごいコダワリ。びっくりしちゃいました
(33:12) 難しかったのは技術より人の心だったといいます いろんなセクショナリズム廃して良い車を作ると モリゾウさんの思いに応えるクルマを作るんだぞというところに心を向けていくのが大変だったとで それは実現出来ていますね。すごい工場を見ましたね 車が出てきました。 この工程を見ていたら凄いものが出てきちゃった感じがしますね 購入を考えている人には最後のひと押しになる事は間違いないですね

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