チタン(Ti)

チタン(Ti)は周期表で原子番号22、記号Tiで表される遷移金属です。1791年にイギリスの化学者ウィリアム・グレゴールによって発見され、チタン酸カリウムとして初めて分離されました。後に、マティアス・キアンによって純粋な形態で生成されることが確認されました。チタンは地殻中に9番目に多く存在し、主に鉱石のルチルおよびイルメナイトから抽出されます。

チタンは非常に高い強度と軽量性を持ち、また、耐食性が高いため、航空宇宙産業、自動車産業、建設業界など多岐にわたる用途で使用されます。チタン合金は高温環境下でも優れた性能を発揮し、ジェットエンジンや高速飛行機の部品に適しています。

チタンは生体適合性が高く、人体への毒性が低いため、医療分野で広く利用されています。人工関節や骨折の固定用プレート、インプラントなどに使用されており、生体内への適用範囲が広がっています。

チタンの抽出方法としては、クロール法が一般的です。この方法では、チタン酸塩を還元し、チタンの粗製品(スポンジチタン)を得た後、高温で精製してチタンの純度を向上させます。

環境面では、チタンは光触媒としての機能も持ち、水や空気の浄化に役立ちます。また、チタンはリサイクル性が高く、リサイクル効率を向上させることで、持続可能な資源利用が可能です。

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