SUS303

ステンレス鋼(SUS)は、鉄を主成分とし、クロムやニッケルなどを含有する合金で、耐食性や耐熱性に優れています。SUS303はオーステナイト系ステンレスの一種で、その特性と応用範囲について解説します。

SUS303は、18-19%のクロム(Cr)、8-10%のニッケル(Ni)、および0.15%以下の炭素(C)を含む。また、0.6%以上の硫黄(S)を添加することで、加工性が向上しています。この硫黄添加により、切削加工や旋盤加工が容易になり、精密機械部品の製造などで広く利用されています。

ただし、SUS303は、硫黄の添加により耐食性が若干低下しており、SUS304と比較して耐食性が劣ることが知られています。特に、塩水や酸性溶液に対する耐食性が低いため、そのような環境下では使用に注意が必要です。

SUS303は、自動車部品、家電製品、建築用金物、医療器具などの幅広い分野で使用されています。また、耐熱性が比較的高いため、高温環境下での使用にも適しています。しかし、溶接性には難があり、溶接部位の耐食性が低下することがあります。

まとめると、SUS303は、加工性に優れ、多様な産業で使用されているオーステナイト系ステンレスです。耐食性や耐熱性には一部制約がありますが、適切な用途や環境下での使用により、その特性を最大限に活用することができます。

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