寸法公差

図面の寸法公差とは、設計された部品や製品の寸法が、実際に製造された際に許容される誤差の範囲を示すものです。つまり、製造工程や材料の特性によって、実際に製造された部品や製品の寸法には、設計時に定めた寸法とは異なる誤差が生じることがあります。このため、図面上に寸法公差を示すことで、設計者と製造者が許容範囲内で部品や製品を製造できるようになります。
寸法公差は、設計者が部品や製品の機能要件や使用環境に応じて適切に決定する必要があります。一般的には、要求される機能によって必要な精度が異なり、高精度な部品や製品には小さな公差が必要となります。また、部品や製品の材料や製造工程によっても公差の設定が異なります。
寸法公差は、ISOやJISなどの規格に基づいて表記され、基準寸法と上限・下限公差の3つで表されます。基準寸法は、設計時に決められた理想的な寸法を示し、上限・下限公差は、製造時に許容される誤差の範囲を示します。製造時には、実際の寸法が基準寸法と上限・下限公差の範囲内に収まっているかどうかを検査することで、品質管理を行います。
設計者は、寸法公差を適切に設定することで、製造コストの削減や製品の品質向上につながることがあります。一方で、公差を小さくしすぎると製造コストが上がったり、製品の信頼性が低下することがあるため、公差の設定には慎重な判断が必要です。

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