ベアリングの予圧

ベアリングの予圧とは、ベアリングに適切な荷重をかけて動作させるために、組み立て時にあらかじめ荷重をかけることを指します。予圧は、軸受の寿命や性能を向上させるために非常に重要な要素であり、適切な予圧をかけることで、回転精度の向上や振動、騒音の低減、摩耗の抑制などが期待されます。

予圧は、大きく分けて2つの方法があります。一つは「固定式予圧」で、組み立て時に軸受を圧入することで荷重がかかる方式です。この方法では、適切な荷重をかけるための調整が必要となり、設計や組み立ての段階で注意が必要です。もう一つは「調整式予圧」で、ネジやスペーサーを用いて組み立て後に荷重を調整する方式です。この方法では、荷重の変化や摩耗に対して柔軟に対応できるため、長寿命化や保守性の向上に寄与します。

ベアリングの予圧設定においては、適切な荷重をかけることが重要です。過剰な予圧は、軸受の発熱や摩耗が早まり、寿命が短くなる原因となります。一方で、不足した予圧では回転精度が低下し、振動や騒音が増加することがあります。従って、設計段階で適切な予圧を決定することが重要です。

予圧設定には、使用するベアリングの種類やサイズ、使用状況などに応じて様々な要素が関係します。これらの要素を考慮し、適切な予圧を設定することで、ベアリングの性能を最大限に引き出し、製品の信頼性や寿命を向上させることができます。製造業の人々にとって、適切な予圧設定は品質と性能の向上において重要な要素であると言えるでしょう。

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