バッククラッシュ

バッククラッシュ(Backlash)は、機械加工において駆動要素(ギア、スクリュー、ナット等)の動きの遊びやクリアランスを指します。伝達系におけるバッククラッシュは、駆動要素間の遊びが蓄積し、応答性や精度に影響を与えることがあります。特に精密加工や位置決めの精度が重要な要素となる場面では、バッククラッシュの低減が求められます。

バッククラッシュの原因は、製造時の公差や摩耗、熱膨張、組み立て誤差など多岐にわたります。これらの要因は、遊びが不均一に分散されることで伝達系の動作不良や振動を引き起こす可能性があります。

バッククラッシュの低減方法は、以下のようなものが挙げられます。
1. 製造時の公差縮小: 高精度な部品を用いることで、バッククラッシュの低減が期待できます。
2. プリロード: 駆動要素間に荷重をかけることで、遊びを抑制し、伝達精度の向上を図ります。
3. 補正機構の採用: バッククラッシュを補正する機構を用いて、精度向上を目指します。例えば、デュアル・ピニオン・ギアやボールスクリューなどです。

ただし、バッククラッシュの完全な除去は困難であり、ある程度の遊びは必要です。適切な遊びがあることで、潤滑油の流れや熱膨張への対応が可能となり、機械の寿命や信頼性が向上します。最適なバッククラッシュは、機械の用途や性能要件に応じて検討する必要があります。

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