自動制御(8) -フィードバック制御

実際に行われるフィードバック制御の簡単な例で、ブロック線図との関係を説明します。
また、フィードバック制御系の良否を評価する指標についてご紹介します。

 

【書き起こし】自動制御(8) -フィードバック制御

(00:04) 工場オートメーションのプロセス制御や 産業用ロボットの位置決め制御など多くの 制御ではフィードバック制御が用いられて います フィードバック制御が使われる最大の理由 は適切に調整すれば 制御した医療を目標値に確実に一致させる ことができかつ高精度であるためです 簡単な例でフィードバック制御の概要をご 説明します ここに流量計と調節弁が取り付けられた 配管があります 配管を流れる液体の流量を目標値に一致さ せる制御を行います いわゆるプロセス制御と呼ばれるものです プロセス制御とはプラントにおける主要な 制御でプラント各所の流量圧力 レベル温度などのプロセスを適切に制御 することでプラント全体の目的を果たし ます
(01:09) この図では流量計で測定された測定子が 調節計と呼ばれるコントローラーに入力さ れます 実際の調節計は1ループコントローラーと 呼ばれる単品の危機や多数の調節計を内蔵 できるコンピュータシステムなどさまざま な形態があります 調節計にあらかじめ目標値を設定しておけ ば入力された測定値と目標値の差より 適切な操作量を演算して出力します この場合は調節弁の開度指令が出力される ことになります すると調節弁がかイド司令に合わせて開閉 しそれに伴い流量が変化します 変化する流量を常に流量計で測定しながら 調節計が適切な弁開度となるよう 連続で操作を行え続けます
(02:14) この流れをブロック線図的に表してみ ましょう 調節計には目標値と測定子が入力されます 調節計は目標値と測定時のさを制御演算部 に入力します この目標値と測定値の差のことを偏差と 言います 制御演算部では入力される偏差によって 適切な弁開度を演算して出力します これが操作量となり調節弁柄のかイド司令 となります 調節弁柄のかイド司令は昔は空気圧信号 でしたが今は電流または電圧による電気 信号として送信されます 制御演算部の伝達関数は様々ありますが プロセス制御の場合は pid 制御と 呼ばれる制御方式が一般的です pid 制御の概要や伝達関数については
(03:21) 今後別動画でご紹介していきたいとおもい ます 操作信号を受けて調節弁が動作した結果が 実際の弁開度となります 指令を受けて実際の開度になるまで時間 遅れがありますので調節弁の伝達関数は一 次遅れ要素を含んだ形になるでしょう ペン開度によって制御対象である流量が 変化します ペン開度と流量の関係は配管の圧力損失 などにもより配管系の伝達関数によります 変化した流量を流量計で測定してその測定 子が調節計に戻って入力されます そして偏差を見て調節計はさらに目標値に 一致するように操作量を見直していくと いうことを常にぐるぐると制御を回すのが フィードバック制御です
(04:27) これらの要素をまとめてブロック線図に 表すと一般的にこのような形に整理する ことができます これを閉ループ制御系と言います フィードバック入力がない場合は回ループ 制御系と言います つの流量制御の例だと制御演算調節弁はい 関係を一つにまとめたものが制御系の伝達 関数 gs です また流量計がフィードバック要素の伝達 関数 hs となります さて常に一定の条件下で制御し続けること ができれば プロセスは安定するのですが 実際のプロセスではがイランと呼ばれる 望まれない要因が 制御対象の大きさに影響を与えます 例えば図の流量制御だと配管内の圧力が 変わると同じ弁開度でも流量が変わって
(05:32) しまいます フィードバック制御であればこのような 外乱の影響も測定値として調節計に戻され て操作量を適切に調整していくので外乱の 影響を最小限に抑えることができます ブロック線図に表すとこのようになります フィードバック制御系の良否を評価する 指標についてご紹介します 制御開始に伴い制御対象が図のような挙動 を示したとします 定常状態になった時の制御対象の大きさを 100%としたときそれが必ずしも 目標値にぴったりと一致するとは限らず 差が生じることがあります この竿定常偏差またはオフセットと呼び ます
(06:36) 定常偏差は目標値に一致させる制度の指標 であり小さいほどいいです 制御対象が定常状態になるまでのかと状態 において100%を超えたピークの大きさ を行き過ぎ料またはオーバーシュートと 呼びます 行き過ぎ量は制御の安定性の指標であり 小さいほどいいです 制御対象が定常状態になるまでの時間を整 定時間と呼びます 制定したか否かの判断はプロセスの安定性 によって異なるので一概に決まりませんが 例えば最終値のプラスマイナス2%以内と なるまでの時間とします 整定時間は応答速度の指標であり短いほど 良いです 制御開始して制御対象が動き出すまでの 時間を無駄時間と呼びます むだ時間も応答速度の指標であり短いほど
(07:43) 良いです 制御対象が50%の大きさになるまでの 時間を遅れ時間と呼びます 遅れ時間も応答速度の指標であり短いほど 良いです 制御対象が10%から90%の大きさに なるまでの時間を立ち上がり時間と呼び ます 立ち上がり時間も応答速度の指標であり 短いほど良いです オーバーシュートピークまでの時間を行き 過ぎ時間と呼びます 行き過ぎ時間も応答速度の指標であり短い ほど良いです これらの指標の意味をまとめると 目標値に早く追従する 即応性があり 振動的でない安定性があり 定常偏差が小さく高精度であることが 優れたフィードバック制御と言えます
(08:50) しかしながら一般的にこれらの要素には トレイ豆腐の関係があります 例えば速追う性を求めて早く目標値に追従 するように調整すれば 振動的になって安定性が悪くなりがちです また安定性を求めてゆっくり目標値に追従 するように調整すれば 定常偏差が大きくなって精度が悪くなる 傾向があります 何を重視するべきかはその制御の目的に よって異なるので実務ではそれを踏まえて 最適な調整を目指します いかがでしょうか 今回の動画はここまでとします ご視聴ありがとうございました

関連動画:
「自動制御(5) -ブロック線図1」

「自動制御(6) -ブロック線図2」

動画資料はこちらからダウンロード
https://ikeiden.xsrv.jp/PDF/wp-content/uploads/2021/12/77.pdf

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