一個からLSIを作成可能 Minimal ファブシステム研究会

http://getnews.jp/archives/158155
ガジェット通信で取り上げられました。

画期的な半導体製造コンセプト「Minimal」
https://fabsystem.jp/

『ファブシステム研究会』が開発中のLSI製造システムの『Minimal』は多方面から見て画期的です。特長は0.5インチのハーフインチウェアというウェハ(LSIを作る基盤)を採用しています。 従来は12インチというLPレコードと同じサイズだったものが、親指の爪先くらいの小型になり、それが画期的な効果を出しています。

今回は『セミコン』史上初のイベント会場での”リソグラフィー工程”(リソ工程)を行なっています。リソ工程を行うのに必要なのはこのユニット3台です。 当然、イベント会場のクリーンでない環境+普通な電源環境での実施です。

注意:以下の内容はインタビューの内容を元に私が考えた物も含まれます。完全な『ファブシステム研究会』の見解ではございません。

●設備の小型化、低コスト化
各工程が小型化されて幅30×奥行き45センチと非常に面積が少ないです。また、全ての装置が100Vで10A以内の電源で対応できるため、大掛かりな電気設備が不要です。設備的には以下の利点があります。
・設置面積が少ない、20メートル×20メートルの広さに半導体製造の全てを設置可
・電源も100Vで良い
・クリーンルーム不要、ウェハは完全密閉された『シャトル』で工程間を搬送
・加熱に必要なエネルギーはごくわずかで、迅速な加熱と冷却が可能
・マスク、ステッパ不要
・12インチウェアだと600あった工程を400に縮小可能
・5000億の設備コストが5億円になる

●設計・開発
マスクを作成することが不要なので、初期コストが劇的に削減されます。このため、迅速に試作プロセスを回すことができます。失敗したら捨てれば良いという考えで、開発サイクルを短くできます。 一個から製作可能なので今までは考えられなかった小規模な回路にもLSIを使うことができます。 設計・開発時の利点は以下です。
・トライアンドエラー的アプローチがLSI設計にも可能
・カスタムロジックもASIC(ゲートアレイ)でなく本物のLSIで可能
・小規模な案件でもLSIを使用できる
・周辺回路の部品を削減可能

●製造現場では
クリーンルームや不快な白衣から解放されます。3Kと言われている半導体製造現場も人が働きやすい環境にこの技術で変わります。

●ユーザ視点では
フルオーダーの特注品だから、ディスクリートで大型です! という考えがなくなります。フルオーダーでも一般製品並のサイズが実現できます。理由は、一個からユーザ仕様のLSIを作成できる為です。
・特注品でも小型化
・多種多様のユーザの嗜好にあった製品が作成可能

●色々な面で見た市場インパクト
・本物のLSIを一個から作成可能
 今まで、ICと言えば汎用的なものをカタログから選び、アプリケーションに合わせた周辺回路を実装していました。このため、周辺回路がコンパクト性を下げていましたが、この技術では一個からLSIを作成可能で、周辺回路もLSI内部に作り込むことができます。小型化、高信頼性、周辺回路用部品の調達、在庫コストが削減できます。

・複雑なロジック=マイコンという考えが変わります
 従来は、複雑な処理はマイコンにプログラムを流し込むという方法を採用していました。 しかし、アプリケーションをこの技術でLSIに作り込んでしまえば、ワイヤスピードの超高速アプリケーションを手軽に実現できます。特殊アプリケーション=汎用マイコン+プログラムと言う考えから解放され、フォン・ノイマンボトルネックからも解放されます。

・ICが壊れたから製品を捨てるという考えが変わります
 IC化が進んだ嘆きのセリフとして。 ICが調達できないからこの製品は直せません。という言葉があります。しかし、この技術では一個からICを作成でき、製品寿命も伸びると考えます。

考えてみただけで、多くの利点が考えられる『mimimal』によるミニマルファブ構想は未来を明るくしていきます。実用化が期待される技術です。

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