オーエスジーは総合工具メーカーとして切削工具だけでなく、圧造ダイス(転造ダイス)の製造と共に冷間圧造(冷間鍛造の一種)加工のためのラック形転造盤の製造・販売を行っています。
転造加工の技術開発にも力を入れ、従来不可能とされていた厚さ2~3mmのパイプ材へのスプライン加工を可能にする新技術を開発しました。
動画で新技術の一部をご紹介します。
使用機械:XK8 High Powerシリーズ XK851
1:19 ねじとスプラインの並列同時転造
1:52 リング溝付き材料へのスプライン転造
2:13 中空材料へのスプライン転造
CNCラック形転造盤XK8シリーズは可動部の制御を完全CNC化しました。
プログラミングにより転造スピードを自由にコントロースすることができ、転造過程でダイス間隔を連動して変化させる特殊転造も可能となっています。
この特殊技術により、従来の転造加工で課題となっていた材料流動の偏りや熱処理変形による精度低下を解決しました。
さらに省エネルギーシステムを導入することで、機械本体を従来機よりもコンパクトな設計でありながら
最大で外径80mm、長さ1,500mmの転造物への加工を可能にしました。加えて騒音レベルの低減も実現しています。
冷間圧造加工とは:
冷間鍛造加工の一種で、金型に材質を添わせながら高い圧力をかけることで塑性変形をおこなう加工方法です。冷間圧造は冷間鍛造と異なり、打撃による成形がありません。
冷間鍛造(圧造)加工は材質を高温に熱しながら行う熱間鍛造(圧造)とは異なり、常温に近い温度で加工するため熱膨張による寸法変化がなく、仕上げ面の精度が良い点が特長です。
冷間圧造による転造ねじ加工は、切削加工と比較して大量生産が容易で、ねじの強度も高いというメリットがあります。