エキシマレーザー加工機

エキシマレーザー加工機は、短波長で高いエネルギー密度を持つエキシマレーザーを用いた精密加工技術です。エキシマレーザーは、希ガスとハロゲン化物が励起された状態で結合したエキシマ分子が励起状態から基底状態に戻る際に放出される光を利用しています。

エキシマレーザーの波長は、約100〜350nmの範囲であり、通常のレーザーよりも短く、高い光学解像度を持っています。これにより、微細加工や表面改質、薄膜除去などの用途に適しており、半導体やディスプレイ、バイオテクノロジーなどの分野で広く利用されています。

エキシマレーザー加工機の仕組みは以下の通りです。まず、電極間に希ガスとハロゲンガスを充填した放電チャンバーで高圧電流が流れると、希ガスとハロゲン化物が励起されてエキシマ分子が生成されます。生成されたエキシマ分子は励起状態であり、エネルギーを持っています。エキシマ分子が基底状態に戻る際に短波長のレーザー光が放出され、これを光学系を通して対象物に照射することで加工が行われます。

エキシマレーザー加工の特徴は、非接触加工であり、熱影響がほとんどないため、熱に弱い材料や微細な構造物に対してもダメージを与えずに加工が可能です。また、短波長であるため、高い光学解像度を持ち、微細加工に適しています。

エキシマレーザー加工機は、半導体のリソグラフィーやディスプレイのパターニング、表面改質や薄膜除去、ナノ構造の作製など、多岐にわたる産業分野で利用されており、その精度と速度は従来の加工方法と比較して圧倒的な利点を持っています。

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