粉末冶金

粉末冶金(PM)は、金属粉末を高温・高圧下で焼結させて製品を作る成形技術であり、複雑な形状の部品や微細構造の製品を効率的に作成することができます。主要な加工機には、圧力成形機、真空・雰囲気炉があります。加工方法は、圧力成形、焼結、熱処理の3つの工程からなります。
🔵圧力成形:金属粉末と結合剤を混合し、専用の金型に充填。プレス機で所定の圧力を加えて成形します。
🔵焼結:成形された素材を真空や雰囲気炉に入れ、高温下で粉末粒子間の結合を強化させます。焼結温度は、素材の種類に応じて変わります。
🔵熱処理:焼結後の製品に熱処理を施し、所望の機械的性質を得るために、焼入れ、焼戻し、焼きなまし等が行われます。
特徴としては、微細な内部構造や複雑な形状の部品を作成できること、材料の無駄が少なく、高い資源効率があること、精密な寸法精度を実現できることが挙げられます。また、PM製品は比較的軽量で、摩擦係数が低く、耐磨耗性に優れています。
用途は幅広く、自動車業界では、歯車、連結部品、クラッチ、エンジン部品等に使用されており、航空宇宙、医療、電子機器等の分野でも活用されています。最近では、金属3Dプリンターを用いた粉末冶金技術が注目されており、更なる可能性が広がっています。