超音波溶着

超音波溶着とは、超音波エネルギーを利用して、素材表面間に局所的な熱を発生させ、材料を接合・溶着させる方法です。主にプラスチックや繊維素材などの非金属材料の接合に適しており、製造業において幅広く利用されています。

この技術の利点は、接合速度が速く、溶接部の強度が高いことです。また、接着剤や溶剤を必要とせず、環境に優しい接合方法となります。超音波溶着のプロセスは以下の通りです。

超音波装置(送信子)から高周波の振動が発生します。
送信子が接合部分に圧力をかけ、素材表面間に局所的な熱が発生します。
表面間の分子が熱で活性化され、溶け始めます。
圧力を維持しながら、接合部が冷却・固化します。

超音波溶着は、自動車、エレクトロニクス、医療機器、繊維製品などの製造業で広く用いられています。自動車産業では、インテリア部品の接合やバンパーの製造に使われます。エレクトロニクス業界では、電子部品の接合や配線の固定に利用されます。医療機器や繊維製品では、不織布やフィルターの接合に適しています。

超音波溶着のデメリットとして、金属材料への適用が難しいことが挙げられます。しかし、非金属材料に対しては優れた接合性能を発揮し、製造業において環境に配慮した効率的な接合技術として重要な地位を占めています。

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