A5052

A5052は、アルミニウム合金の一種で、特に良好な耐食性と溶接性を持つことが特徴です。その化学組成は、アルミニウム(Al)が主成分で、マグネシウム(Mg)が2.2-2.8%、クロム(Cr)が0.15-0.35%、鉄(Fe)が0.4%以下、シリコン(Si)が0.25%以下、亜鉛(Zn)が0.1%以下、マンガン(Mn)が0.1%以下、銅(Cu)が0.1%以下、チタン(Ti)が0.15%以下の含有比率で構成されています。

この合金は、優れた成形性能と耐食性を持ち、船舶、自動車、建築、航空宇宙産業など幅広い用途に使用されます。また、海水や工業用水、薬品に対しても高い耐食性を示すため、化学プラントや海洋構造物にも適用されます。

A5052の溶接性については、TIG溶接やMIG溶接が適用されることが多く、一般的な溶接手法で問題なく加工が可能です。ただし、溶接後の耐食性を維持するためには、適切な溶接溶融物を使用することが重要です。

機械的特性においては、引張強度が210-230 MPa、降伏強度が170-200 MPa、伸びが12-20%となり、中程度の強度を持っています。また、硬度はHB40-60程度となります。

A5052は、安定した特性と幅広い適用範囲から、様々な産業で重要な役割を果たしています。

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