ラッピング研磨

ラッピング研磨とは、精密な平面研磨加工の一種で、主に金属やセラミックスなどの硬質材料の表面仕上げに使用される研磨技術です。ラッピング研磨では、ワークピースと研磨布や研磨板との間に研磨粒子(研磨剤)を介在させ、研磨布や研磨板を往復させることで、微細な研磨剤がワークピースの表面に作用し、平面度や粗さを向上させます。

ラッピング研磨の主な利点は、高い平面度と超精密な表面仕上げを実現できることです。また、材料の硬さや研磨剤の種類、研磨条件を適切に選択することで、寸法精度や形状精度も向上させることが可能です。さらに、研磨の際に発生する熱や機械的応力が比較的低いため、ワークピースの変形や損傷のリスクが少ないという利点があります。

ラッピング研磨には、以下のような種類があります。
🔵手動ラッピング:研磨布や研磨板を手で動かして行う研磨方法。小規模なワークピースや試作品の加工に適しています。
🔵機械式ラッピング:専用の機械を使用して自動化された研磨が行われる方法。大量生産や連続的な作業に適しています。
製造業でのラッピング研磨の応用例としては、精密機械部品、金型、光学部品、半導体製造装置部品などが挙げられます。これらの部品は、高い平面度や粗さが求められるため、ラッピング研磨が適した加工方法とされています。ただし、加工時間が長くなることや、研磨剤の選択や研磨条件の調整が重要であることから、ラッピング研磨には一定の技術や経験が必要です。

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