圧縮ばね

圧縮ばねは、外力によって変形する機械要素であり、エネルギー貯蔵や荷重伝達に使用されます。一般的に円筒形で、ヘリカルスプリング(コイルばね)とも呼ばれます。素材としては、ばね鋼やステンレス鋼、銅合金などが用いられ、用途や環境条件に応じて選ばれます。

圧縮ばねの特性は、フックの法則に従い、荷重と変位の比例関係があります。圧縮ばねの強度は、線径、巻き数、外径、材料特性などに依存します。線径が太いほど、強度が高くなりますが、ばねの剛性も増加し、柔軟性が低下します。逆に、線径が細いほど、剛性が低く、柔軟性が高まります。

圧縮ばねの寿命は、応力が繰り返し加わることで劣化し、破損するまでのサイクル数で評価されます。材料の疲労強度や応力集中度、ばねの設計要素により、寿命が異なります。適切な設計とメンテナンスにより、寿命を延ばすことができます。

応用分野は広く、自動車、航空機、機械装置、家電製品など様々な産業で利用されています。特に、自動車のサスペンションでは、乗り心地や安定性を向上させるため、圧縮ばねが重要な役割を果たしています。

圧縮ばねの選定や設計においては、荷重条件、変位要件、サイズ制約、環境条件、寿命要求などを考慮し、最適な材料と形状を選択することが重要です。適切な設計により、安全性、耐久性、性能が向上します。