引張ねじ

引張ねじ(テンションボルト)は、機械や構造物の部品を接合するためのねじ締め部品であり、主に鋼製で作られています。引張力がかかる接合部に使用され、ねじとナットを締め付けることで両部品間に張力を発生させ、強固な接合を実現します。

引張ねじの特徴は、締め付け時の引張力が一定範囲内に制御される点です。これにより、接合部の締め付け力が適切に維持され、緩みや破損を防止することができます。また、引張ねじは高い引張強度を持っており、重量物の取り扱いや高い負荷がかかる状況でも安定した性能を発揮します。

引張ねじの選定には、以下の要素が考慮されます:材質、ねじ径、ピッチ、長さ、表面処理、荷重条件、環境条件など。材質は、ねじの強度や耐食性を決定し、ねじ径やピッチは接合部の強度と締め付け力に影響します。表面処理は耐食性や摩擦係数に影響し、適切な締め付け力を確保するために重要です。

引張ねじの締め付け手順は、まずねじをナットに通し、指でナットを締めていきます。次にトルクレンチ等を使用して、設定トルクまで締め付けます。トルク管理は、締め付け力を一定範囲内に制御するために重要です。最後に、締め付け後のねじの伸びを測定し、許容範囲内であることを確認します。

引張ねじは、構造物や機械の安全性や信頼性を確保するために広く利用されています。適切な選定と締め付け管理を行うことで、効果的な接合が実現され、長期的な耐久性が向上します。