S45C(機械構造用炭素鋼鋼材)

S45Cは、機械構造用炭素鋼の一種で、日本工業規格(JIS G4051)に定められた鋼材です。炭素含有量が0.42-0.48%の範囲で、適度な強度と硬度を持ち合わせた高炭素鋼であり、機械部品や自動車部品の製造に広く使用されています。S45Cの特徴は、高い引っ張り強度と硬度、優れた加工性、疲労強度に富んでいることが挙げられます。また、熱処理によって硬さを調整しやすく、焼入れや焼戻しにより、さらに高い強度や耐摩耗性を得ることが可能です。ただし、S45Cは溶接性に劣るため、溶接を行う際には、事前の熱処理や溶接材の選定が重要となります。また、耐食性にも劣るので、環境条件によっては表面処理が必要になることがあります。S45Cは、その特性から、機械部品や自動車部品、鍛造品、歯車、ボルト・ナット、鉄道部品など、幅広い産業で重要な役割を担っています。高い強度と硬度、熱処理による特性の調整が容易なため、今後も多くの工業製品に使用され続けるでしょう。

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