発泡成形機

発泡成形機は、熱可塑性樹脂や発泡剤を使用して、発泡プラスチック製品を製造するための工業用機械です。主に、スチロール系樹脂(EPS、EPP、XPS)などの発泡プラスチックを成形するのに用いられます。発泡成形機は、プリエキスパンダー、成形機、切断機の3つの主要部分から構成されています。

プリエキスパンダーは、原料となるビーズ状の樹脂に発泡剤と熱を加え、膨張させる役割を果たします。この過程で、樹脂は約50倍に膨れ上がります。膨張したビーズは、一定の時間冷却され、安定化されます。

次に、成形機において、ビーズは金型に充填され、蒸気を用いて加熱されます。加熱によってビーズ同士が融着し、所定の形状に成形されます。成形工程では、温度と圧力の制御が重要で、品質の均一性や寸法精度に大きく影響します。

最後に、切断機で製品は所定の寸法に切断され、仕上げられます。切断機は、ホットワイヤーやミルリングなどの方法で製品をカットし、研削や表面処理を施すこともあります。

発泡成形機は、建築材料、自動車部品、家電、パッケージングなどの産業において広く利用されており、軽量かつ高い断熱性能、衝撃吸収性を持つ発泡プラスチック製品の生産に寄与しています。近年では、環境負荷の低減やリサイクル性の向上に焦点を当てた技術開発が進められています。