超電導磁石(マグネット)

超電導磁石は、超伝導現象を利用して、非常に強力な磁場を発生させる磁石です。通常の磁石では、電流が流れると発熱が生じ、エネルギー損失が発生しますが、超電導磁石では、超伝導状態になることでエネルギー損失をほとんど生じずに、強力な磁場を発生させることができます。このため、超電導磁石は、MRIや加速器、磁気浮上列車、磁力式リニアモーターなどの分野で広く用いられています。

超電導磁石の製造には、超伝導材料を使用します。超伝導材料には、低温超伝導体と高温超伝導体があります。低温超伝導体は、液体ヘリウムを用いた低温環境下で超伝導状態を示し、高温超伝導体は、液体窒素を用いた高温環境下でも超伝導状態を示します。

超電導磁石は、磁気浮上列車では、車両を浮かせるためのリニアモーターや、磁気浮上を制御するための磁気浮上センサーに使われます。また、MRIでは、人体を非侵襲的に観察するための非常に高い磁場が必要であり、超電導磁石が使用されます。超電導磁石は、その特性を生かして、医療や交通機関、エネルギー産業などの分野で、重要な役割を果たしています。