置換折出

置換折出(substitution folding)は、プログラムの実行速度や効率を向上させるために用いられる、コンパイラ最適化の一手法です。この技法では、式の評価結果が変化しないことが保証される範囲で、冗長な計算を省略し、再利用可能な中間結果を活用します。

置換折出は、以下の主な手順で行われます。

識別:プログラム内で繰り返し行われる冗長な計算や式の評価を特定します。これは、データフロー解析や依存関係の解析を用いて行われます。

置換:冗長な計算を一度だけ行うようにコードを変更し、その結果を変数に格納します。この変数は、以降の計算で再利用されます。

折出:変更されたコードをプログラムに組み込み、再利用可能な中間結果が適切に活用されるようにします。これにより、計算の回数が削減され、実行速度が向上します。

置換折出の利点は、計算量の削減による実行速度の向上や、エネルギー消費の低減です。しかし、適用範囲が限られるため、全体的な効果はプログラムの構造や計算負荷に依存します。また、最適化によるコードの可読性の低下やデバッグの困難さも考慮しなければなりません。