ご安全に!現役機械設計者の竹の子と申します。
今回は「機械設計の基本」をテーマにお話しさせていただきました。
いまいちピンとこない職業「設計」をハッキリさせる為、現役設計者がお話しします!
動画の目次—————————————
・あいさつ 0:00
・自己紹介 01:01
・そもそも設計って? 03:08
・機械設計の仕事 08:16
・機械設計になるための知識 13:40
・機械設計の資格 19:35
・まとめ 24:40
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【書き起こし】【現役機械設計者が教える】機械設計の基本【必要な知識や資格まで】
(00:00) ご安全に!「竹の子Lab.」の竹の子です 今回は私が仕事としている設計について お話していきます 今回お話する内容は 現役機械設計者の私、竹の子が 職場や設計部署で行っている 実際の業務をお話ししようと思います この動画は設計と聞いても ピンとこない方や 設計は聞いたことあるけど 何をしているかわからない方へ 向けて作っています この動画を最後まで見ていただければ 設計という認識がふわふわしたものが どんなものかはっきりとわかるようになります またモノづくりに関わりのない方にも 身近にあるものって どうやって手元に届いているか 知るチャンスになると思います 動画後半では 設計者を目指している方向けに必要な 知識や資格をご紹介しています 是非最後までご視聴ください 本題に入る前に自己紹介をさせて頂きます
(01:05) 早速本題に飛びたい方は 動画概要欄に目次がありますので そちらから飛ばして頂いて結構です 私はyoutubeチャンネル「竹の子Lab.」を運営している 竹の子と申します 私は普段の本業としては 機械設計者として日々働いています 機械設計者というのは この動画でお話しする設計という職業で かつ得意な分野が機械系ということです 今までの実績としては自動車部品や航空機 医療機器の開発などに 計4社の会社に所属し 設計開発業務に携わってきました 今も分野は違いますが 機械設計開発をしています 詳しくは言えないんですが 街でよく見る自動車や ニュースで見る航空機の開発なんかをしていました 設計という職業は なかなか外から見えない裏方の仕事です 製造業に携わっていない方には
(02:09) ピンと来ない職業だと思います そんなピンとこない方へ 設計やモノづくりの面白さを知ってもらおうと youtubeチャンネル「竹の子Lab.」を開設しました 小さい頃は何か 物を作っていた時って 夢中になって楽しんでいたと思います 私は新聞紙で剣を作ったり 木を集めて秘密基地を作ったり とてもワクワクしながら ものづくりの過程や 出来上がった時の達成感を楽しんでいました 設計という仕事は そのモノづくりの過程や 出来上がった時の達成感が 一番実感できる仕事だと思います そんな設計の楽しさ モノづくりの楽しさを ほんの少しでも伝えることができれば それによって ものづくりの夢を目指してくれる方が増えれば 最高だと思っています それではそろそろ本題に入ってきます 設計という仕事は本当に多岐にわたりますが 一言で表すなら案やアイディアでしかない状態の物を
(03:18) 現実的に実現可能にする仕事です 少し曖昧だと思うので詳しく説明していきます 新しいものを作る気に まず最初に必要となるのは 人の悩みや願望です もっと早く移動したいや 遠くの人と話がしたいなど 悩みや願望が 自動車や電話を産みました 設計の仕事はその人の悩みや願望を 解決するための物、製品を考えることです ただ考えるだけではいけません 現実的に実現可能でないと 実際に人の悩みや願望は解決できません 実現可能にして その解決できるものを悩んでる 人の所に届けてこそ意味があります 設計の仕事は 人の悩みや願望を聞くところから始まり 悩みや願望を解決するには
(04:22) どうすればいいのか たくさんの案を考え、 たくさんの案の中から実現可能な案を選び 本当に実現可能か確かめて 悩んでる人に届けるところまでが仕事になります この人の悩みや願望が 設計者にとっては案やアイディアとなります そして人の悩みや解決するものを その悩んでいる人に届けることが 現実的に実現可能にするということで まとめて案やアイディアでしかない状態のものを 現実的に実現可能にする仕事となります ここをまず押さえて下さい 設計の仕事は本当に広く多岐に渡るため 概念的な話になりましたが より具体的に説明するために 物が出来上がる工程をあげて 工程のどこを担当しているのか を説明していきます 少し難しくなりますが
(05:26) 頑張ってついてきてください ものが出来上がる工程には 大きく分けて8つのステップがあります 企画、設計・開発、製造、加工・組立 検査・測定、品質管理 搬送、販売、この8つの工程を経て 物が手元に届きます 会社の規模や製品によっては 二つの工程が一つになっているものもあると思います 設計が関わる工程は この8つの内の全ての工程に関わります 「え?」と思われた方もいると思います 「全部の工程に関わるとかないでしょ」 とか思われた方もいると思います もう一度言います。設計は全ての工程に関わります もちろん実際に作業をしたり 物を運んだりするわけではありません しかし設計はすべての工程を理解し 自分の考えた製品を
(06:30) 全ての工程に理解してもらうことが 仕事の一つにあります 例えると 物を運ぶ時に運ぶ振動で 製品が壊れてしまったら 悩んでる人のところに届けることができません そこで設計は ある程度の振動にも耐えれるように 製品を考えなければいけません それは搬送の工程でトラックで運ぶのか トラックで運ぶのか船で運ぶのか 降ろすときはクレーンを使うのかフォークリフトを使うのか などの理解が必要です また部品を組み立てる時には 正常に製品が動くように 組み立ててもらわなければなりません それには組み立て者に設計者から こうやって組み立ててほしいなど 理解を促す必要があります その理解を促す方法の一つが図面という書類で 逆に設計者は組み立て者の立場になって 出来る限り組み立てしやすい製品を考えます
(07:38) そうした一つ一つの理解が出来上がる製品を より作りやすくより使いやすいものにしてきます 作り易ければコストを抑えることができ 製品の価格を安くできるかもしれません 使いやすくすれば使う人の 満足度が向上するかもしれません 全ての工程を理解し 理解してもらうことはとても大変ですが それ以上に とても大切な設計の仕事だと思います 設計は物、製品を考えて その理解を広めることが仕事の概要となります 次は設計という職業の中でも 私が行っている機械設計という分野の仕事を 具体的な例を挙げてご紹介します 機械を設計する場合3つのパターンがあります 新規設計、改善設計、専用設計 この3つのパターンです 一つ一つ説明してきます
(08:42) 「新規設計」は今までなかったものを 新しく設計する場合のことで 自動車で例えると プラットフォームまで含めた フルモデルチェンジにあたります 2つ目の「改善設計」は 既にある製品の一部を改良する設計の場合です 自動車ではマイナーチェンジにあたります 3つ目の「専用設計」は 少数のお客さんの要求に合わせた 設計をする場合です 自動車では展示会に飾るコンセプトカーにあたります この3つのパターンは会社によっては 別々の部署やチームに分かれていたり 1つのパターンに特化した会社もあります このパターンは設計の目的の違いなだけで 実際に行う内容としてはほとんど一緒です 実際に行なっている内容というのは 3つの工程を行っています 概念設計、基本設計、詳細設計この3つです 概念設計と基本設計を一つと考え
(09:54) 計二つの工程にする場合もあります これは製品の設計を進めていく流れを 3つに分けたものです 具体的に説明してきます 最初の工程「概念設計」とは これから設計していく 製品の目的や目標スペック 使用者のターゲット 使用環境の予想などを 関係各所と意識を共有化していく工程です この製品は誰にどこでどんな風に使われ どんなメリットを与えるのか この認識を明確化し共有化することで 製品のイメージや目的というゴールを設定します 自動車などはこの概念設計で コンセプトデザインイラストや 重量や燃費などの達成目標を設定します 次の工程の「基本設計」とは 製品の大雑把な設計を行うことです 製品の全体のサイズや形状
(11:02) どういった動きをさせるのか 部品の配置やインターフェースの位置などを決めてきます ここで大雑把にですが 概念設計の時に決めた 製品目標を満たしているか 強度設計や重量計算もしてきます 大雑把な設計と言いましたが ここで考えたことが 最終的に大きなミスに繋がることも多いので しっかり気をつけてよく考えていきます 自動車では 部品分割部分の設定や部品の固定方法 部品強度などを考えていきます 最後の工程「詳細設計」とは 製品の細かい形状を確定させていく工程です 設計として製品が目標数値に達していて 且つ問題なく目的を果たす ところまで持って行きます 具体的には 部品製作方法や組み立て方法の検討
(12:07) 強度や機能解析 最終的には 図面を書いて後工程の部署へ渡します この工程では 検証や検討などの確認作業を多くしていきます その確認作業では 小さな見落としや勘違いなどは許されません 図面が後工程に渡ってしまったら 後からミスの修正は基本できません とても神経をとがらせて気を遣う工程です だいたい図面を渡す 出図前は設計部署内は修羅場と化します 自動車では 部品製作組立検証や 部品点数が1,000を超す図面を書いていきます この3つの工程を経て設計業務を行います 他の業務としては 他部署との打ち合わせや 試作を作っての検討なども行います 実際に部品を製造・組立する際に
(13:15) 問題が起きにくいようにする為の確認作業です その確認作業からのフィードバックを受けて 製品をより良いものに改善していきます ここまでが設計が 実際に行なっている仕事の内容となります 会社や分野によっては 工程の名前や内容などは 多少の違いはあると思いますが 大まかに行ってることは一緒だと思います 次は設計者になるために 必要な知識の話をしたいと思います 設計者になるためには 膨大な知識が必要になります コップで例えると 一つのコップを設計したい時には コップは飲み物を入れて 保持するためのツールで コップに入る飲み物には温度が冷たいものや温かいもの 科学的に酸性のものやアルカリ性のものなど 何が入るかを仮定して 考えなければなりません そのためには
(14:18) 100度以上の温度に耐えられる材料の知識や 耐薬品性に優れた材料を 自分で選ばないといけないので材料の知識が必要です またコップを使う環境も考えると 頻繁に手に持って移動する可能性が高いです 移動するということは 手が滑って床に落とすこともあるでしょう その時に簡単に壊れないように 落としても割れない 強度を持たせる必要があります それには物理学の知識が必要です またそもそも手が滑らないような 持ちやすい形を考えたい場合 人間工学やユニバーサルデザインなどの 知識が必要となります たったコップ一つ考えるだけで これだけの知識を必要とします 実際に機械設計を行う上では より広く深い知識が必要です 一度にそんな量の知識を取り込むことはできないので 日々新しい勉強を続ける必要があります
(15:26) 新入社員として入ってきた方が ここで一度挫折することが多いと思います 私も初めて設計に触れた時 エベレストのような勉強を前に心が折れてしまい どうすればいいのか分からなくなった時期がありました しかし一歩一歩ゆっくりでいいので 確実に登っていけばいいと思います 設計業界へ転職や就職を考えている方は このゆっくり人を育てる気質がある しっかりと見極めるようにしてください それでは機械設計者になるために 必要な知識を 具体的に説明していこうと思います 機械設計者になるために 事前に知っておくと 後が楽になる知識をご紹介します ご紹介するのは4力学、機械要素 製図、設計ツール、広く浅い知識 この5つです まず最初の「4力学」と呼ばれる 4つの力学をしておきましょう
(16:32) これは材料力学、流体力学、熱力学、機械力学 の4つを合わせて4力学といいます これらは物を作る上で 強度や性能を考える元となる知識で 4力学を知らないと 強度解析や性能計算ができず 製品目標の達成まで 大きく遠回りすることになります 次に「機械要素」の知識です これは機械を構成している軸や軸受 歯車やバネなどの部品の知識です 今あげた部品には JISやISOなどの 標準化された規格があります これらを組み合わせて機械を考えていくので 部品の知識は必須となります 次の知識は「製図」です 製図は物の設計図、
(17:37) 図面を書くためのルールのことで 図面にも先ほど話した JISやISOなどの規格があります 好き勝手なルールで書いた図面は人には伝わらないので 正しく規格を理解して 図面を書く必要があります 次は「設計ツール」の知識です 設計ツールとは 私が講座動画をあげているCADやcamcae CAM/CAEと呼ばれる解析・検討ソフトのことです 機械設計では もうこれらのソフトを使わないことは ありえないので 最低限の使い方や知識は必要です 最低限の知識とはCADではどんなことができて それで作ったデータはどう使われているのか 程度の知識で構わないので知っておきましょう 最後は「広く浅い知識」です とても広い意味になってしまいましたが これまでに挙げた知識以外のことを 広く浅く知っておきましょう
(18:41) 新しい技術のことや 人の悩み事、動物の知識など何でもいいです 勉強の仕方も何でもいいです 人とたくさん話すでも良いですし ネットで調べるでもいいです どんな知識が後に紐づいて 役立つかわかりません 最初から知らなければ 紐づくことも思い出すこともないので 新たなアイデアを作ることができません 何の役に立つかわからないけど とりあえず知っておく位でいいです たくさんの知識を集めておきましょう 設計者になる前に 事前に知っておいた方が 良い知識は以上です 他にもまだまだ設計に必要な知識は あるのですが 機械系のジャンルや会社によっては 必要となる知識が違うので 最低限知っておいて 欲しい部分を説明しました 次は機械設計者になるための資格についてお話します はっきり言って機械設計の分野では
(19:45) 現状、資格は全く重視されていません と言うか現役の機械設計者でも 資格を持っている人がほとんどいないので 近くの認知度がありません 知らない資格を持っていても なかなか評価しにくいですよね 機械設計は医者や弁護士のように 絶対に資格がなければならないわけではありません 今までの実績や貴重な経験で 評価されることが多いです しかし資格を持っていれば 最低限知識の証明になります 転職や就職の際に同程度の経験を積んでいる 二人が面接に来たら 資格を持っている方法を 優先して採用しようと考えるとは思います そんな資格ですが 機械設計に関連する資格は数多くはありません 今回は3つの資格をご紹介します ご紹介する資格は技術士(機械部門)、
(20:53) 機械設計技術者試験、三次元CAD利用者技術試験 この3つになります まず最初の技術士(機械部門)は 公共社団法人 日本技術士会が行なっている 文部科学省認定の国家資格です この資格は古くからある資格で知名度も高く 技術者として 国際的にも権威のある資格になっています 内容は高度な知識や 応用能力が求められます 国家資格の中でも 難関と言われていますので 大変注目されている資格です 試験は1次と2次に分かれており 一次試験では基礎科目、適性科目、専門科目 この3科目の試験を受けます 一次試験を突破した人間は 修習技術者と呼ばれ 次の二次試験を受けるためには 4年から10年の実務経験が必要となります
(21:59) 二次試験では筆記と口頭での試験を受けます そこで合格したら 晴れて技術士として認定されます この資格は建築分野での知名度や 有資格者は多いと聞きますが 機械分野での技術士資格を 持っている方には 私自身ほとんどお会いしたことがありません 次の機械設計技術者試験は 一般社団法人 日本機械設計工業会が行なっている 民間資格です この資格には1級から3級まであり 2級と3級はマークシート方式の 試験となっています 1級では記述方式に変わり 小論文の試験もあります 実務経験は2級から必要となります 2級に挑むには最低2年の実務経験が必要です 1級には2級を合格した 次の年から受験が可能となっています
(23:05) この試験では 機械設計の基礎部分から 応用部分までの技術的知識を証明することが出来ます 比較的この機械設計技術者資格を 持っている現役機械設計者は 多い印象です また学生のうちに3級を取得し 就職活動に挑む方も多いと思います 最後の三次元CAD利用者技術試験は 一般社団法人 コンピュータ教育振興協会が行っている 民間資格です この資格には1級、準1級、2級の3つがあります 2級は筆記試験で 三次元CADに特化した知識が求められます 1級、準1級は 三次元CADの実技試験となっています 実際にCADでモデリングをして アセンブリまでを行います 実務経験は特に必要なく 2級をすでに合格している方は 1級、準1級に挑むことができます
(24:11) この資格では三次元CADの知識や テクニックなどは証明できますが 設計者としての知識や技術はまた違うので 参考にする程度の認識です CADオペレーターを目指してる方には 適した資格なので是非取得しましょう 私も二次元と三次元の1級は持っています 以上が機械設計の資格のご紹介でした 今回の動画「設計の基本」は ここまでとします 設計はモノづくりの始まりから終わりまで関われる とても面白い仕事です とてつもない苦労もしますが その分やりがいや楽しさもあります これから設計を目指す方や 学生さんは一緒に勉強して頑張っていきましょう もうすでに 設計として働いてるよっていう方は 最も苦労したことをコメントで書いてください このチャンネルでは設計情報だけでなく
(25:17) 3Dプリンターや 3D CAD講座なども発信していますので 良かったら「竹の子Lab.」に入所して 一緒に研究していきましょう 入所の仕方は右下のアイコンから チャンネル登録ボタンを押してください またこの動画が為になったらグッドボタン 残念ながら為にならなかったら バッドボタンをお願いします また、気になることやリクエストなどは コメントで書いてもらえると嬉しいです それでは最後までご視聴 ありがとうございました
投稿者のプロフィール
▲現役機械設計者
元々は航空機開発、自動車部品開発、医療器械開発に携わっていました。
今現在でも、専門分野は異なりますが、機械設計者として働いています。
▲使用CAD
主に使っているCADはSolidWorksです。
他には、CATIA、NX、Fusion360、AutoCADも業務などで触ったことがあります。
▲Twitter
@TAKEnoKO_lab
なかなか設計とかCADとか理解が難しいといわれることが多いので、実際設計はどんな仕事をしているのかを発信していこうと思います。
他にもこのチャンネルでは、技術的な情報や、最新技術のニュースなども発信していこうと思いますので、興味のある方はチャンネル登録と動画視聴をよろしくお願いします。
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