電解コンデンサができるまで【工場見学】

■提供 エーアイシーテック
電解コンデンサの工場を見学してきました。
エーアイシーテックのコンデンサを見る→ https://bit.ly/aictech

コンデンサの原理の解説動画→ https://youtu.be/u2s90OwH9SA

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0:00 電解コンデンサ工場にやってきた
0:58 スリット工程
3:13 巻取工程
5:15 含浸工程
6:10 組立工程
7:04 再化成工程
8:12カール工程
9:13 スリーブ被覆工程
10:14 検査工程
12:40 過電圧試験をやってみる!
16:28 AICテックについて

 

【書き起こし】【工場見学】電解コンデンサができるまで 

(00:00) この動画はエーアイシーテックの提供でお送りします こんにちは 今日は工場見学にやって来ました 半年ほど前に電解コンデンサの原理を説明する動画を作りました そちらは非常に好評でしたがコメントを見てみると どうやら皆さん電解コンデンサがどうやって作られているかを知りたい そんなコメントが多く見られました ということで今日はこちらに持っている電解コンデンサが どのようにして作られているのか そちらの工場見学にやってきました 今日は栃木県にあるコンデンサメーカーの エーアイシーテックにやってきました それでは実際にコンデンサがどうやって作られているのか 工場見学しに行きましょう 電解コンデンサの製造工程は大きく分けて9段階あります 今日見ていくのはネジ端子型アルミ電解コンデンサといって
(01:06) 比較的大型の電解コンデンサです まずはじめにスリット工程から見ていきましょう こちらの工場では主に産業用に使われる 大型の電解コンデンサを作っています 今ここにある装置はスリットを作るマシンです ここにアルミの電解コンデンサの中に使われる陽極のロールがあります これはアルミでできています これは今プラスの電極のアルミのフィルムを切断しているわけですが こちらのプラスの電極 実はものすごいノウハウが詰まっています 特にこちらの電極 陽極箔と言いますが この陽極箔は自社開発生産されたものが こちらの真岡市にある工場に運ばれてきます 特に陽極箔というのはこの表面を見てもらうとわかるんですが 少しざらざらしているような表面になっています そういった表面の形状であったり あとは表面積によって電解コンデンサの静電容量あとは電気的な特性 そういったものが決まります つまりこちらの陽極箔は電解コンデンサにとっては 非常に重要な材料です こちらに陽極箔を巻いたロールがあります
(02:12) このロールがどんどん機械に引き込まれていきます いろいろ通っていくとこちらに見えますでしょうか こちらにレーザーが通っています このレーザーは何のためにあるかというと この陽極に穴が空いていないかというのを 検出するためのものになっています こちらの陽極箔に穴が空いていると コンデンサが不良品になってしまう可能性があります なのでこちらのレーザーで穴がないかあるかというのを検出します 当然穴がある場合はこちらの装置全体が 止まるような仕組みになっています こちらの陽極箔この装置の中に回るカッターのようなものがあります そのカッターで陽極箔は切断されます これが切断された後のロールです 先ほど一本の長い陽極箔がありましたが こちらに出てきたロールは3分割されています こちらの陽極箔の長さが そのまま電解コンデンサの容器があるんですけれども この中に入るとそういうふうになります さきほどのスリット工程で切断された陽極箔はこちらに運ばれてきます
(03:20) ここは何をするところかというと巻取工程と呼ばれる作業をします みなさん見えますでしょうか この機械が非常にたくさんあります これはすべて巻き取りの機械です ちょっとこの詳細を見ていきます これが巻取工程のマシンです さきほどの陽極箔を切断するスリット工程で切断された陽極箔が こちらに運ばれてこの機械にセットされます 先程の工程では撮影していませんでしたが 陰極箔とは別に陽極箔と後は電解紙ですね 紙も一緒にこの機械にセットされて巻き取るという工程になります この陽極箔と電解紙そして陰極箔をすべて重ねた状態で ぐるぐる巻いていきます そちらがコンデンサの素子になります ただ巻いただけですと コンデンサの素子としては電極が出ていませんので使えません なので電極を引き出すためのリード線もこちらで一緒に付けられます 比較的小さな電解コンデンサですと一個数秒で巻き取りができますが こちらの巻き取りの機械はかなり大型のものを巻き取れるものです
(04:28) ですのでこの規模の非常に大きなサイズの電解コンデンサになると 1個の素子を巻き取るのに30秒から1分程度かかります こちらのコンデンサの素子の中身なんですけれども この中を見てもらうと分かりますが 陰極箔と電解紙と後は陽極箔 それを全て重ねます その重ねたものをこの中に入っている機械が巻き取ります こちらの巻かれた電解コンデンサの素子ですけども 巻かれた後はこちらから出てきます ここに完成品の中身の素子があります こちらのリード線を見てもらうと分かるんですが すべて1列に並んでいますね これは後の工程のためにこのように一列に並べてあります これが電解コンデンサとその中身の素子です 電解コンデンサの中に使われる素子の巻き取り工程が終わったあとは 次は含浸の工程に進みます こちらの含浸の工程ですけども 電解コンデンサの真の陰極となる電解質を含んだ液体を 電解コンデンサの素子に浸透させます
(05:35) 含浸させます ちょっと後の方に釜がズラッと並んでいますが見えますでしょうか こちらの釜に電解コンデンサの素子を入れて その後に電解液を流し込んでいく そういった工程になります この含浸の工程の電解液なんですけども 電解コンデンサの電流特性や あとは耐圧を決める非常に重要なものです この電解液は電解コンデンサにとっては非常に重要なもので エーアイシーテックでは60年以上も前から こちらの電解液を自社で調合しています 含浸の工程が終わった後は次は組立の工程になります まず含浸した素子をこちらの装置に入れます そうするとラインの上を流れていってこちらの装置に入ります これは組立装置といって含浸した素子がありますけども それとキャップ 電解コンデンサのキャップの部分 そしてケースの部分をすべてこの工程で組み立てます コンデンサの素子からリード線が出ていますが
(06:42) そのリード線に穴を開けます その穴を開けたところに電解コンデンサの蓋があります その蓋から出ている突起の部分をこちらにかしめこみます かしめが終わった後の素子はケースに入ります ケースに収められた電解コンデンサの素子は その後また別の工程にいきます 組立工程が終わったあとは次は再化成工程に進みます 再化成工程というのはアルミの陽極箔の表面に アルミの酸化膜を作ることです アルミの陽極箔にはもともとアルミの酸化膜がありますけども それが巻き取りの工程や組み立ての工程で傷つく場合があります そういったダメージを受けた欠損した箇所を もう一度この工程 再化成の工程で修復します 再化成の工程なんですけどどういうふうにやるかというと こちらの後ろにある電源装置 これは高電圧を発生させることのできる電源装置ですが そちらの電圧をコンデンサの素子に印加します 印加する電圧なんですけれども
(07:46) 定格電圧より高い電圧を電解コンデンサに印加します そうすることで欠損した部分にアルミの酸化膜を再度作ります その工程を経ることで例えばコンデンサを出荷してお客さんが使うときに ショートの事故を防ぐことができます こちらの再化成工程では電圧を印加するわけですが どの程度の電圧を何時間程度印加するか そういったところにも細かいノウハウがあります 再化成の工程が終わったら次はカール工程に進みます 電解コンデンサの端部を見てもらうとわかるんですが ケースの端の部分が立った状態になっています これをカールして曲げていきます 電解コンデンサの蓋の部分 キャップの部分にゴムがありますが そのゴムの部分とケースの外側の部分を カールさせて食い込ませていきます そうすることで電解コンデンサを密閉します これは非常に大事な工程です カールの工程を少し詳しく見ています 今ここに中に電解コンデンサが立てられて この上から何か回転しているものが
(08:51) 電解コンデンサのケースの端部に当てています それを押し当てることでケースの端部を外にカールさせて そしてケース自体を密閉します このカール工程は非常に重要で 電解コンデンサをしっかりと密封できていないと 中の電解液が漏れるなどの原因になります 非常に重要な工程です カール工程が終わって電解コンデンサをしっかりと密封できたら 次はスリーブ被覆工程になります スリーブ被覆工程ではまずカール工程が終わった電解コンデンサに 熱収縮チューブでできたスリーブを被せます そしてスリーブを被せ終わった後こちらの右側にある機械に通します この機械は何かというと外から熱を加えて 熱収縮チューブを収縮させます 絶縁スリーブの熱収縮が終わった後 その後電解コンデンサは印字されます 印字工程ですね 皆さん電解コンデンサはよく使われると思いますが 電解コンデンサを作っているメーカー名
(09:55) この場合だとエーアイシーテック そして電解コンデンサの定格電圧と定格の静電容量などが印字されます この印字が終われば製品としてはほとんど完成している状態です まだただこの状態では使えません このあとに検査工程があります 次は検査工程を見てみます 次は製品検査です 私の後ろで今製品の検査をやっています 奥の方に見えますが黄色いロボットアームが見えますでしょうか あのロボットアームが電解コンデンサをつかんで そして検査装置まで持って行きます 一番大きい電解コンデンサですと重量が5kg 非常に重たいものもあります こういったものは人間の手を使わないで ロボットの力を借りて製品の検査をやります 検査自体はすべて自動でできるようになっていて人間の手は使いません つまり自動検査機を使います そして外観の検査も同時に行われます こちらの検査ですがすべての製品に対して 電気的特性がしっかりと規格の範囲内に収まっているかを検査します
(11:03) 製品の出荷検査では寸法の抜き取りの試験も行われます こちらのロボットアームが見えますでしょうか 黄色いロボットアームが電解コンデンサを3つ同時につかみあげて そして奥にある自動検査機まで持って行っています ロボットを見てください あそこに自動検査機のところに置いて また次の電解コンデンサを3つ同時に持ってきます つかみました そして電解コンデンサを持ち上げて そして自動検査機のところに置くと すべて自動で行われています 先ほど見ていただいたロボットアームでの自動検査が終わった後に もう一度最終検査があります その最終検査が終わった製品というのは 一度ここに集められてその後ダンボールにこのように箱詰めされて そしてお客さんのもとに届いていくと 発送をするわけですね 今こちらにある電解コンデンサは箱詰めがすべて終了したもので もう発送待ちの状態です
(12:07) 電解コンデンサの端子にこのように何か 導線みたいのがつながっていると思います これはですね 再起電圧を防止するためのものです 出荷時にこのように導線で接続することによって短絡するわけですね なのでこの状態で再起電圧が発生するのを防ぎます もちろんすべての電解コンデンサが このように短絡して出荷されるわけではありませんが これはお客さん側の要求であったりそういったものに応えて このように短絡した状態で出荷することも対応しているそうです 私の動画をよく見てもらう人なら気付いているかもしれないんですけど コンデンサをよく爆発させます 今日はせっかく電解コンデンサのメーカーに来たわけですから 何かそういった試験をやってみたいと思ってます 今日やる試験ですが電解コンデンサの過電圧試験をやります ここにこれから過電圧をかけられる電解コンデンサがあります こちらの電解コンデンサにこの電線を接続して過電圧をかけます
(13:15) ちなみに過電圧をかけると電解コンデンサに漏れ電流が流れ出します そして中で化学反応が起きてどんどん温度が上がっていって そして同時にガスも発生します そのガスの内圧が高まっていくと こちらの電解コンデンサについている安全弁が開くような動作になります そうしますとガスが吹き出て内圧が下がる それが電解コンデンサの安全な壊れ方です それでは実際にこちらの電線をつないで過電圧をかけてみます 今回電解コンデンサにかける電圧ですけども こちらの電解コンデンサの定格電圧は直流400Vです そこに550Vの過電圧をかけていきます この電源のスイッチを入れれば 中にある電解コンデンサに過電圧が加わります それでは電源を入れます 電源入りました この中にある電解コンデンサに今過電圧が加わっているはずです 少し時間がかかるようですがそのまま
(14:25) まだ変化はありません 10秒くらい経っていますが 見ましたか 煙が出てきました すごいですね ものすごい量の煙が出ています だんだん音もすごく大きくなっていてこれはすごいですね 過電圧になるとこのくらいものすごい量の煙が出てきてすごいですね 煙が部屋の中全体に充満しているような感じになっています 電解コンデンサをここまで派手に過電圧で壊した経験は 今までないんですけども 実際見てみるとこれはかなり迫力がありますし あと怖いですね なので皆さん電解コンデンサ過電圧にはならないように 絶対に気をつけましょう これは別のカメラで撮影した映像です 外見上特に変化はありませんが
(15:28) 内部の内圧が高まっていてそしていきなり弁が開きます このように過電圧を印加することでコンデンサ内部の電極反応により 急激にガスが発生し弁を通して外に吹き出しています 中に入ってどうなっているか見てみます コンデンサの中身が出た時の独特の臭いがします この電解コンデンサを見てください しっかりと弁が動作して中の内圧を逃がせるようになっていますね あとこの電解コンデンサ自身がかなり発熱しているのか 表面から煙が出ています 実際この手を少し近づけると何かあったかい そんな熱気みたいのが伝わってきます ただ電解コンデンサ自身がちゃんと弁が開いて爆発する そういった事態は避けられているので ちゃんと安全な電解コンデンサということです ということで今日はエーアイシーテックにやってきて
(16:32) 電解コンデンサがどのように作られるかを工場見学しにきました エーアイシーテックは産業用の電解コンデンサや あとはフィルムコンデンサも作っています もし興味のある人は概要欄の方にリンク載せてありますので そちらの方から確認してみてください もちろんカタログ品以外にもカスタム品にも対応しています というかそちらの方が実は得意です 今後産業用の電解コンデンサと あとはフィルムコンデンサを購入したいという 企業の購買の担当であったりあとは開発の担当者の方は ぜひアクセスしてみてください それでは最後まで動画のご視聴ありがとうございました

★ビジネス関係のお問い合わせ: inquiry@ichiken-engineering.com
★チャンネル登録はこちら https://www.youtube.com/channel/UCGhudK3AIG152KrfURCSb2Q

music: Kevin MacLeod, The Big Beat 80’s.

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