機械設計技術 機械要素編 歯車のモジュールと歯数、バックラッシ、かみあい率 Gear module and number of teeth, backlash, meshing rate

機械要素のひとつである歯車の基礎を学びましょう。

【書き起こし】機械設計技術 機械要素の勉強 歯車の仕組みとモジュール、歯数、バックラッシ、かみあい率 Gear module and number of teeth, backlash, meshing rate 

(00:14) はい、こんにちは中村です。いつもご視聴ありがとうございます。 このチャンネルでは3 d cad の inventor の操作方法や、機械設計の基礎知識についてお話ししています。 今日は機械要素のね、代表格である 歯車の基礎知識について、お話ししていきたいと思います。 歯車っていうのはね、どんな機械にでも使われてると思うんですけども、 家電とかで言うとね、エアコンとかそれからプリンターとかね、身の回りにいろんなところに、使われている機械要素です。 このね、基本的な機械要素、歯車のお話をさせていただきたいと思います。 歯車はね、非常に深い理屈が色々あって、使い方によってね、 ものすごく気を使わないといけないんですけども、 今日はね、基礎的な部分について、お話しさせていただきたいと思います。 実際にね、歯車の動く様子を inventor なアニメーションを使ってね 動かしながら、説明を加えて行きたいと思いますので、 動画を見ながらね、歯車の基礎を確認してみてください。 はい、それでは早速始めたいと思います。
(01:20) はい、このようにね、モーターにピニオン、緑色のピニオンがついていて、水色の大きい歯車ですね、大歯車が付いた機構を用意しました。 これを題材にしてね、ご説明していきたいと思います。まずはちょっと動かしてみますね。 これが正回転で、 はい、これが逆回転ですね。 まず歯車を使うことの一つの機能として、水色の歯車と緑色の歯車で、回転方向が逆転するという特徴があります。 これが一つめの特徴ですね。入力側と出力側が反対方向に回ります、というのが一つですね。 それから2つ目は、回転速度が変わるということですね。 右側の緑色のピニオンは、今歯数15枚ですね。 水色の大きい歯車の方が30枚です。 これを回転させると、緑が一回転する間に、水色は半回転ですね。 緑が2回転で、
(02:31) 水色が一回転と、このような動きをするんですね。 ですから、歯の数の比によって減速されるということですね。 減速というのは、どういうことかと言うと、簡単にいうとスピードが半分になるということですね。 緑が2倍のスピード、水色が半分のスピードで回るということです 。 で、スピードを犠牲にする代わりに、何が上がるかというと、トルクというのが上がるんですね。 緑のトルクが10だと、水色の方のトルクは20になります。 トルクって何かといいますと、物を回転させる力ということですね。 ですから今、この歯数の比が15と30で1対2ですね。 スピードは半分になって、トルクが2倍になると、そういう関係です。 はい、今度は入力と出力を逆転してみました。 水色の大きい歯車の方を入力、 緑色の小さい歯車の方を出力にしてみました。 ちょっと動かしてみますね。 はい、こういう感じですね。水色が1回転する間に緑色が 2回転しました。これは速度で言うと増速ということになります。
(03:45) 例えば、このモーターが1800回転のモーターだったら、 緑色のピニオンは3600回転で回るということです。 このようにスピードを上げたい場合は、増速して歯車の比を逆転させてやると、増速することになります。 その代わり、トルクが半分になってしまうんですね。 水色の方のトルクが10だとすると、緑色の方のトルクは5になってしまう、ということですね。 このように、回転とトルクの関係で、常にトレードオフ関係にあってね、2倍にすると半分になる。 3倍にすると3分の1になると、そういう関係にあります。 はい、次はモジュールについてお話ししていきたいと思います。 歯車という機械要素を理解するためには、モジュールと歯数の関係を、理解しておかなければなりません。 モジュールは何を表すかというと、歯の大きさを表すんですね。 この水色と緑色の歯車のモジュールは、これ1ですね。 で、少し拡大しますけども、 左側の大きい歯車の方のモジュールは1で、外径が32ですね。
(05:00) 緑側の小さい歯車の方は、モジュール1で外径が17という 歯車になります。 で、モジュールはこの図でいうと、どこで表されているかと言うと、 ここですね、この今30と書いているのが基準円直径、 ピッチ円直径と言われるものです。そこから歯の先までの距離 これが1なんですけども、これがモジュールですね。 これが歯の大きさを表す数字になります。 今度小さい方の歯車、ピニオンの方ですけども、 これも当然モジュール1ですね。 かみ合う歯車は、同じモジュールでないとかみ合わないので、 当然こちらも、モジュール1ということになります。 基準円直径が、こちらは15ですね。 モジュールが1と。 はい、それでちょっと対比するために、モジュール2の歯車を用意しましたので表示しますね。 はい、この黄色い歯車これはモジュール2の歯車ですね。 水色の歯車と基礎円直径は同じです。 モジュール2なので、歯の数が半分なんですね。
(06:09) 水色の方は歯の数が30枚、 黄色の方は歯の数が15枚になってます。 見た目でぱっと見てわかると思うんですけど、黄色の歯車の方が、大きなトルクを伝えられそうな感じがしますね。 モジュールっていうのは、こういうことなんですね。 モジュールの大きさと歯の数の関係な んですけども、 今この黄色と水色比較してもらうとね、 黄色の方が歯の数が半分ですよ、と言いましたね。 水色がモジュール1で、黄色がモジュール2と、 いうことで、そこからわかってくるのは何かというと、この関係を式で 表すと、モジュール×歯の数が基準円直径、 ピッチ円直径になっているということですね。 黄色の歯車の方は、 モジュールに歯数が15 なので、15×2で30のピッチ円直径。 水色の方はモジュール1 、歯数が30ということで1×30でピッチ円直径が30。 これが、ピッチ円直径と歯数モジュールの関係を表す式です。 今お話ししたような、モジュールと歯数の関係なんかの、基本的な内容を解説してあるものが、小原歯車の pdf 資料で出てますので
(07:22) 概要欄にリンクを貼っておきますので、ぜひ参照して勉強してみてください。 それからですね、あともう一つバックラッシという言葉があるんですけど、 これ何かと言うと、簡単にいうと遊びですね。 ガタのことです。 少し拡大して見てみますと、 ここに隙間があるんですね。 歯車というのは、必ずトルクがかかってて、回転しているわけです から、片側は接していて、片側は隙間があるんですね。 この隙間のことを、バックラッシと言います。このバックラッシが ないと歯車って回らないんですね。 まぁ簡単に言うと、キツキツで隙間がないと回らないということですね。 ですから必ずバックラッシがね 、0,何ミリか、というオーダーでついているのが、通常ですね。 ここでね、かみあい率の話もちょっとしておきたいんですけども ここの点で、今かみ合ってて、歯車がずーっと回っていって、 かみ合っている点が、ずーっと移動していくんですね。 この移動していって、いずれは外れていくんですけども、 その時に次の歯車がかみ合う、ということになっているのが
(08:34) 歯車の理屈なんですけども、 一瞬だけね2枚の歯が両方かみ合う瞬間があるんですね。 まぁ例えるなら、陸上競技のリレーのバトンを受け渡す区間みたいなもので、ある区間だけ2つの歯車が、かみ合ってる瞬間があるんですけども、 これをかみあい率と言います。かみあい率が大きければ大きいほど 強度的には有利ということになります。 歯車のね、設計をするときにまず決めないといけないのは、 モジュールなんですね。 基本設計をする時に仕様を決めるときに、モーターの出力が決まりましたと、 モーターの出力が決まると、伝達動力が決まるので必要なモジュールですね 。 歯の強さが決まってきます。これを決めるのが、まず最初の作業になりますのでね。 そのあたりは歯の曲げ強度と歯面強度、この2つの側面からね、歯の強度を見ていかないと、いけないんですけども、 そのあたりは小原歯車のホームページをリンクで貼ってますのでね、 そこの pdf をご参照になさってください。 またね歯車の計算なんかもね、自動で できるツールもありますので、よろしければ覗いてみてください 。
(09:42) はい今日はね、平歯車の基礎についてお話しいたしました。 歯車といってもね、非常にいろいろな種類があって、たぶん10種類ぐらいあると思うんですけどもね、平歯車それから、はすば歯車とかね、 傘歯車とか、ウォームギアとか、それぞれね全然特徴が違っててね、 いろいろな使い分けをする必要があるんですけども、 それはね、また別の動画でお話ししていきたいと思います。 はい、今日は歯車の基礎についてお話しさせていただきました。 今日の動画は以上となります。今日もご視聴ありがとうございました。 また次の動画でお会いしましょう 。 お気に召されましたら、チャンネル登録をよろしくお願い致します。

・小原歯車資料
https://www.khkgears.co.jp/gear_technology/guide_info.html

・3D PDFの使い方

・AutoCADの3面図から3D立体化

・機械設計技術者の仕事と3DCADの未来

・パーツに映るおじさんを消す方法
https://www.youtube.com/watch?v=_a9sxJG2ehI

・AutoCADの図面枠をそのまま使う方法の動画↓

・プロジェクト作成から図面展開までの流れ↓

・図面置換の方法↓
https://youtu.be/aUtgnB4er4s

・素早くモデリングする方法 スケッチ共用↓

・この動画ではCAD操作がわかりやすいように マウスの左クリックは赤丸、右クリックは青丸のアニメーションがでますので参考にしながらご覧ください。
・講師は3D CAD歴26年、機械設計技術者1級を取得しています
・色覚弱者の方にも無理なく見ていただけるように、配色に配慮しております
#機械設計CADの学校動画一覧#平歯車#ギヤ

関連記事一覧

Skip to content