機械工学
断面二次モーメント
断面二次モーメント(または断面積モーメント)は、構造材料の曲げ剛性を評価するための重要な指標です。これは、材料が曲げ応力にどれだけ抵抗できるかを表し、結果として構造の変形および破壊に対する耐性を示します。
断面二次モーメントは、断面形状とその寸法に依存します。一般的に、断面積を座標軸に沿った距離の2乗で重み付けし、積分を計算することで求められます。これは以下の式で表現できます。
I = ∫ y^2 dA
ここで、Iは断面二次モーメント、yは座標軸からの距離、dAは微小面積要素です。断面形状が複雑な場合、積分は数値的に解かれることが一般的です。
断面二次モーメントは、次のような性質を持っています。
対称性: 任意の軸に対して対称な断面形状は、その軸に対して最大のモーメントを持ちます。
直交性: 独立した軸に対する断面二次モーメントは、相互に影響しません。
スーパーポジション原理: 複数の部分からなる断面のモーメントは、各部分のモーメントの和として求められます。
断面二次モーメントは、ユング率とともに、曲げ応力と変形を計算するために使用されます。ビームの曲げ応力は、次の式で与えられます。
σ = My/I
ここで、σは曲げ応力、Mは曲げモーメント、yは中立軸からの距離です。断面二次モーメントが大きいほど、曲げ応力は低くなり、構造材料は曲げに対してより耐性があります。