機械設計技術 ベルトプーリーの機能 タイミングベルトとVベルト

減速機、増速機として使われるベルトプーリー。その基本的な機能について解説しています。平歯車との違いや、メリットについても詳細に説明しています。

0:00 プーリーの基本性能
1:25 歯車との違い
3:51 タイミングベルトとVベルト
4:57 ベルトプーリ設計での注意点とメリット
6:32 三ツ星ベルトのベルト紹介

 

【書き起こし】(2) 機械設計技術 機械要素の勉強 ベルトプーリーの機能 タイミングベルトとVベルト 

(00:06) こんにちは中村です。いつもご視聴ありがとうございます。 このチャンネルでは inventor 3 d cad の使い方や機械設計についてお話ししています。 今日はベルトプーリの機能についてお話ししていきたいと思います。 ベルトプーリの 機能は以下の3つですね。 1つ目、減速・増速装置として使われる 2つ目、軸間距離を長くとれる 3つ目、原動側と従動側の回転方向が同じ 以上3つがね、基本的な機能となります。 今日も inventor のアニメーションを使って詳しくご説明していきます。 こちらがベルトプーリを使った減速機構になりますね。 原動側モーター側が小さなプーリですね。それで右側の方が大プーリーいうことで左側の言動側から入力されたトルクが右側の大プーリの方に伝わります。ちょっと動かします。 はい、このように左側から入力された回転トルクが右側の大プーリに伝わります。
(01:17) それでこの場合は減速しているので、右側のプーリの方がゆっくり動くと、こういう機構ですね。 それで歯車と違うのは、原動側と従動側で回転方向が同じということですね。 このように入力側原動側と従動側の回転方向が同じという特徴があります。 比べてみるために平歯車の場合も見てみましょう。 はい、こちらが平歯車の減速装置ですね。 少し動かしてみます。 はい、平歯車の場合は入力側の原動側と 従動側の回転方向が逆になりますね。 これがベルトプーリと平歯車の機能の違いの1つですね。 はい、2つ目の特徴の軸間距離が長くとれるというやつなんですけども、この平ギアの場合は 当然ですけども、ギアの噛み合いが必要なので軸間距離っていうのが決まってしまうんですね。 これは端数に依存してくるので軸間距離を長く取ろうと思っても物理的な限界があり ますよね。 これがベルトプーリになると
(02:26) はい、このように軸間距離をある程度長く取ることが出来ます。 これがベルトプーリの大きな特徴で、従動側のプーリからモーターの距離を離しておきたいときにベルトプーリは大きな威力を発揮します。 これが2つ目の特徴ですね。 いくらでも長くできるわけでもないですけども、ある程度の距離なら十分に長くとれるというのがベルトの特徴です。 正面から見るとこのような感じですね。 モーターから離した位置に大プーリを置くことが できます。 それでギアの場合は、はいこのように近い距離でし か置くことができません。 これはねプーリの最大の魅力だと思いますね。 もう一つ付け加えておきたい特徴として、 平ギアは騒音が結構大きいんですね。 こうやって回していると回転数がある程度以上になると、音がするんですね。ブイーンという音がするんですけども、もちろん材質によるんですがベルトプーリはその音がほとんどないですね。 これも特徴の1つだと思います。 回転数が数百回転にもなると 平ギアは必ず音がしますね。 私の経験から間違いないです。それでベルトプーリは回しても音が ほとんどしないですね。
(03:33) 騒音が気になるような卓上機とかね、そういうものに関してはベルトを採用した方がいい と思いますね。 ですから、ベルトプーリは静かで回転方向が同じ、軸間距離が取れるとそういう特徴に なります。 それで今ここで示しているプーリはタイミングベルトというベルトのプーリですね。 タイミングベルトっていうのはどういうことかというと原動側と従動側の回転比を ピタリと合わせすことができます。 これは歯車と同じで歯がかみ合ってますので回転の位相が狂わないということですね。 例えば身の回りで言うと、エンジンのタイミングベルトですね。 バルブを開け閉めしているカムシャフトのタイミングとエンジンの回転、これぴったり一致しとかないと、吸気排気ができないのでそういうところに使われて いるのがこのタイミングベルトです。 それでタイミングを合わせる必要がないようなベルト、例えばボール盤のね 駆動とか、そういうものには Vベルトが使われています。 回ればいいと、それなりに滑っても別に大丈夫ですよというものは Vベルトが使われていますね。
(04:41) それともう一つの特徴は、ギヤとベルトプーリの機構を比べるとベルトプーリの方が コスト的に安い傾向がありますね。 サイズにもよるとは思うんですけども、ベルトプーリの方が若干コストが安いという印象を受けています。 それから組み立て性のお話をちょっとしておこうと思うんですけども、ベルトプ ーリの場合は、このプーリ軸間距離をさほど気にしなくてもいいんですね。 この軸間距離を機械加工でバッチリ合わせる必要はなくて、ベルトをね、後からはるような方向に持っていって、 まぁ小プーリなり大プーリの方に長穴を切っておいてベルトを張ると、張りを調整するという組み立て方 をするので、 そういう意味で言うと機械加工が少なくて済みますね。 平ギアのように歯の咬み合いがシビアになってくると、ピニオンと大歯車の軸間距離を きっちりと合わせないといけないですね。 これが0.1ミリ0.
(05:52) 2ミリ狂ってくると歯あたりの問題が出てきますし、このツラの合わせ方歯車の面をしっかり合わせておかないと 歯あたりがね、かたよってきてしまって歯車の寿命にも影響してきますね。 ですから、歯車の組み立ての方はそのあたりで機械加工の幾何公差とかね、 軸間距離の精度とかそのあたりにも気を使わないといけないので、相対的にコストが上がってくる傾向にあります。 ではなんでもベルトプーリにできるのかというとそうではなくて、ベルトで受けれるトルクにはやはり限界があるのですね 。 ベルトはゴムなので、やはり大きな張力は受けれない、大きなトルクは受け入れないということになります。 えー、ベルトの中にね、金属が入ってて引っ張力に強くしてある特殊なものもあったりするんですけれども、やはり大きなトルク ですね、大型機械なんかのものには歯車を使わざるを得ないということになります。 はい、 こちらがベルトメーカーの一つである三ツ星ベルトさんのホームページですね 。 先ほど紹介したようなタイミングベルトとVベルトが書いてあると思います。 種類分けとしてタイミングベルトはかみ合い電動と 書いてますね。 Vベルトは摩擦電動と書いてます。 まあ、その名の通りタイミングベルトは歯がかみ合って動力を伝えると、それで摩擦電動は摩擦力だけで伝えるということですね。
(07:03) それでVベルトは V溝にはまっていって、トルクがかかるとV溝にどんどんくいこむような感じでね、 摩擦力を安定させてトルクを伝えていくとそういう感じですね。 えー、かみ合い電動の方は歯がかみ合っているので、必ず正確にあの回転数を動力の回転数を 伝えるという機能がありますね。 このようにいろいろな種類があってね、詳しい 能力の違いがあるので、設計条件によって選んでいただけたらと思います。 概要欄にリンクを貼っておきますのでよろしければ後でご覧になってください。 はい、それでは今日の動画は以上となります。 今日もご視聴ありがとうございました。 また次の動画でお会いしましょう。

・三ツ星ベルト
https://www.mitsuboshi.com/japan/product/general/kind/

・この動画ではCAD操作がわかりやすいように マウスの左クリックは赤丸、右クリックは青丸のアニメーションがでますので参考にしながらご覧ください。
・講師は3D CAD歴26年、機械設計技術者1級を取得しています
・色覚弱者の方にも無理なく見ていただけるように、配色に配慮しております
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